X オープンソース 構造を解説|おすすめ投稿の仕組みと全コード公開の現状

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X(旧Twitter)の「全コードベースをオープンソース化する」という発表が注目されています。
ニュースを見て、「Xの仕組みはすべて公開されたの?」「おすすめ欄の表示順位が分かるようになる?」「利用者の個人情報まで公開されるの?」と疑問を持った人もいるでしょう。
最初に結論を整理すると、イーロン・マスク氏(いーろん・ますく)が2026年7月15日に示したのは、セキュリティ上の脆弱性を確認した後、Xの全コードベースを公開するという今後の方針です。
2026年7月17日時点で、Xの全コード公開が完了したわけではありません。
一方、「For You」と呼ばれるおすすめフィードを支える中核的な推薦システムは、xAIの公式GitHubで公開されています。
この記事では、公開済みの推薦コードと、今後予定されている全面公開を混同しないように区別しながら、X オープンソース 構造を分かりやすく解説します。
- X オープンソース 構造の正確な意味
- Xの全コードが現在どこまで公開されているのか
- おすすめ投稿を選ぶ7段階の処理
- Home Mixer、Thunder、Phoenixの役割
- 2023年版と2026年版の違い
- コード公開のメリットと限界
- 一般利用者や投稿者が誤解しやすいポイント
- 全面公開後に確認すべき項目
✨X オープンソース 構造とは何か
X オープンソース 構造について理解するには、まず「ソースコードを見せること」と「正式なオープンソース」の違いを押さえる必要があります。
X オープンソース 構造を一言で説明すると
X オープンソース 構造とは、Xの機能を動かすプログラムや処理手順を、外部の開発者や研究者が確認できる形で公開する仕組みです。
料理に例えるなら、完成した料理だけを提供するのではなく、材料、レシピ、調理工程まで見せることに近いでしょう。
外部の専門家はコードを読み、候補となる投稿をどのように集め、どのような処理で順位を付け、何を除外しているのかを調べられます。
ただし、設計図が公開されることと、実際のXをそのまま再現できることは同じではありません。
本番の表示結果には、利用者の反応履歴、候補投稿、学習済みモデル、運用中の設定なども影響するためです。
コードを閲覧できるだけではオープンソースとは限らない
ソースコードがインターネット上で読める状態でも、自由に改変したり再配布したりできるとは限りません。
Open Source Initiative(オープン・ソース・イニシアティブ、以下OSI)は、正式なオープンソースには、ソースコードの入手だけでなく、再配布、改変、派生物の作成などを認めるライセンス条件が必要だと定義しています。
公開範囲だけでなく、どのライセンスが付けられているかが重要です。
2026年版の「X For You Feed Algorithm」はApache License 2.0で公開されています。
ただし、今後公開される予定のX全コードに同じライセンスが適用されるとは発表されていません。
オープンソースの正式な定義は、OSIの「The Open Source Definition」で確認できます。
X オープンソース 構造の公開範囲を整理
Xには、For Youフィードのほか、検索、通知、広告、アカウント管理、安全対策、メッセージなど多数の機能があります。
マスク氏は全コードベースを公開する方針を示しましたが、機能別の公開一覧や全体に適用されるライセンス、具体的な公開日は明らかにしていません。
| 区分 | 内容 | 2026年7月17日時点 |
|---|---|---|
| 公開済み | For You推薦システムの中核、旧推薦アルゴリズムなど | 公式GitHubで確認可能 |
| 公開予定 | Xの全コードベース | セキュリティレビュー後と説明 |
| 未発表 | 公開日、全体のライセンス、監査担当者、監査方法 | 正式発表待ち |
「全コードを公開する方針」と「全コードが公開された」という事実は、はっきり分けて考えましょう。
📝X オープンソース 構造はどこまで公開されているのか
ここでは、2026年7月の発表内容と、すでにGitHubで確認できる公開コードを整理します。
2026年7月15日に示されたのは今後の公開方針
マスク氏は2026年7月15日、セキュリティ上の脆弱性に関するレビューが完了した後、Xの全コードベースを例外なくオープンソース化する方針を自身のXで表明しました。
さらに、第三者に実際のシステムを調べてもらい、公開したコードが本番環境で稼働しているコードと一致するか確認させる考えも示しています。
これは全面公開の完了報告ではなく、今後行う作業についての発表です。
第三者の名称、確認方法、監査範囲、実施時期は明らかになっていません。
したがって、「すでに第三者監査によって本番コードとの一致が証明された」と書くのは不正確です。
引用元:イーロン・マスク氏のX投稿
公開済みのFor You推薦システム
xAIの公式GitHubにある「X For You Feed Algorithm」は、XのFor Youフィードを支える中核的な推薦システムを収録しています。
公式READMEによると、システムは主に次の2種類の候補を集めます。
- フォローしているアカウントから集めるインネットワーク投稿
- 機械学習による検索で世界規模の投稿群から探すアウト・オブ・ネットワーク投稿
両者をまとめた後、Grok系Transformerを利用するPhoenixが複数の行動確率を予測し、投稿の順位付けに使います。
公開リポジトリはX全体ではなく、For Youフィードの推薦を担う中核部分です。
引用元:xAI公式GitHub「X For You Feed Algorithm」
2026年5月15日の更新で追加された内容
公式READMEでは、2026年5月15日の更新内容として、次の機能が明記されています。
- 候補取得からランキングまでを一つにつないだ推論パイプライン
- 約3GBの小型学習済みPhoenixモデル
- スパム判定や投稿カテゴリー分類などを行うGrox
- フィード内へ広告を配置するAds blending system
- 利用者のフォロー情報や表示履歴などを補足するQuery Hydrators
- 反応数、言語、メディア情報などを付加するCandidate Hydrators
- 広告、フォロー候補、話題などの追加候補源
小型Phoenixモデルは、256次元の埋め込み、4つのattention head、2つのTransformer層で構成され、Git LFSを通じて約3GBのアーカイブとして提供されると説明されています。
これは本番用の全モデルではなく、公開コードを試すための小型学習済みモデルです。
💡X オープンソース 構造でおすすめ投稿が決まる7段階
公式READMEは、For Youフィードを組み立てる流れを7段階で説明しています。
前半は利用者情報と候補投稿を準備する
最初の段階では、利用者の最近の反応履歴、フォロー一覧、設定などを取得します。
続いて、ThunderとPhoenix Retrievalという2種類の候補源から投稿を集めます。
候補が集まると、投稿本文、画像や動画、投稿者情報、認証状態、動画の長さ、購読状態などの情報が付加されます。
いきなり全投稿へ順位を付けるのではなく、比較対象となる候補を集め、必要な情報をそろえてから採点します。
採点前に表示対象外の投稿を除く
候補へ情報を付けた後、採点する前に複数のフィルターが適用されます。
- 同じ投稿IDの重複
- 古すぎる投稿
- 利用者自身の投稿
- ブロックまたはミュートした投稿者の投稿
- ミュートワードを含む投稿
- すでに閲覧した投稿
- 同じセッションですでに表示した投稿
- 利用条件を満たさない購読者向けコンテンツ
すべての候補をAIモデルへ渡すのではなく、明確に表示対象外となる投稿を先に除外します。
複数の反応確率を予測して最終順位を決める
Phoenixは、候補投稿ごとに複数の利用者行動が起こる確率を予測します。
予測対象として公式READMEに挙げられているのは次の行動です。
- お気に入り・いいね
- 返信
- リポスト
- 引用
- クリック
- プロフィールのクリック
- 動画の視聴
- 写真の拡大
- 共有
- 滞在
- 投稿者のフォロー
- 興味なし
- 投稿者のブロック
- 投稿者のミュート
- 報告
これらの予測値へ重みを掛け、合計したものが最終的な関連性スコアになります。
いいね、返信、共有などの行動には通常プラス方向の重みが使われ、ブロック、ミュート、報告などにはマイナス方向の重みが使われると説明されています。
おすすめ順位は「いいねの予測」だけではなく、好意的・否定的な複数行動を組み合わせて決まります。
| 段階 | 処理 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 1 | Query Hydration | 利用者の反応履歴やフォロー情報を取得 |
| 2 | Candidate Sourcing | ThunderとPhoenix Retrievalから候補を取得 |
| 3 | Candidate Hydration | 投稿、投稿者、メディアなどの情報を追加 |
| 4 | Pre-Scoring Filters | 重複、既読、ミュート対象などを除外 |
| 5 | Scoring | 複数の行動確率を予測して合成 |
| 6 | Selection | スコア順に上位候補を選ぶ |
| 7 | Post-Selection Processing | 最終的な可視性や重複会話を確認 |
😲X オープンソース 構造を支える主要コンポーネント
公式リポジトリには複数の専門用語が登場しますが、役割を分けると理解しやすくなります。
Home Mixerは処理全体をつなぐ司令塔
Home Mixerは、For Youフィード全体を組み立てるオーケストレーション層です。
利用者情報の取得、候補源への問い合わせ、候補情報の補足、除外、採点、選抜、最終確認を順番につなぎます。
それぞれの処理はCandidate Pipelineという再利用可能な枠組みの部品として構成されています。
Home Mixerは投稿を単独で評価するAIではなく、複数の処理を正しい順番で動かす司令塔です。
Thunderはフォロー中アカウントの投稿を探す
Thunderは、フォローしているアカウントから最近の投稿を取り出すインネットワーク候補源です。
公式READMEでは、投稿の作成・削除イベントを取り込み、フォロー中のアカウントから候補を返す仕組みとして説明されています。
利用者がすでにつながっている投稿者の新しい投稿を、素早く候補へ加える役割を担います。
Thunderは「フォローしている人が最近何を投稿したか」を探す担当です。
Phoenixはフォロー外投稿の発見と採点を行う
Phoenixには、候補取得とランキングという2つの大きな役割があります。
Phoenix Retrievalは、利用者と投稿を数値ベクトルへ変換し、世界規模の投稿群から関心が近いと予測されるフォロー外投稿を探します。
Phoenix Rankingは、利用者の反応履歴と候補投稿をGrok系Transformerへ入力し、複数の行動確率を予測します。
ランキング時には候補同士が互いを参照しないCandidate Isolationという設計が使われています。
これにより、ある投稿のスコアが、同じ処理単位に入った別の候補によって変化しにくくなります。
Phoenixは、新しい投稿を発見する検索役と、その投稿が利用者に合うかを予測する採点役を兼ねています。
🔧X オープンソース 構造に残る人為的な処理
2026年版の公式READMEには、手作業で設計した特徴量を廃止したという説明があります。
ただし、この表現を「人間が決めた処理がすべてなくなった」と解釈するのは誤りです。
廃止されたのは主にコンテンツ関連性の手作業特徴量
公式READMEは、Grok系Transformerが利用者の反応履歴から関連性を学習するため、コンテンツの関連性を判断するための手作業特徴量を廃止したと説明しています。
従来のように、人間が大量の個別特徴を設計し、それぞれをモデルへ入力する比重が下がったという意味です。
これは「推薦システム全体から人為的な設計が消えた」という意味ではありません。
フィルターとスコアの重みは残っている
公開コードには、重複、古い投稿、既読、ブロック、ミュートワードなどを除外するフィルターが存在します。
また、複数の予測確率を最終スコアへ変換する際には、それぞれの行動へ重みが設定されます。
どの行動をプラスに評価し、どの行動をマイナスに評価するかという設計は、推薦結果へ大きな影響を与えます。
関連性の学習をモデルへ任せても、候補を除外する条件や予測値の扱いには人為的な設計が残ります。
投稿者の多様性や広告配置も別処理
同じ投稿者が連続して表示されすぎないようにするAuthor Diversity Scorerも存在します。
また、2026年5月の更新では、広告をフィードへ挿入・配置するAds blending systemが追加されています。
これらは、純粋なコンテンツ関連性モデルとは別に働く処理です。
For Youフィードは、Transformerモデルだけで完成するのではなく、フィルター、多様性調整、広告配置などを組み合わせて作られます。
🔍X オープンソース 構造は2023年版からどう変わったのか
旧Twitterが公開した2023年版と、xAIが公開する2026年版では、構造と公開方法に違いがあります。
2023年版は約6,000の特徴量を扱っていた
2023年版のHome Mixer READMEでは、ランキングに必要な約6,000の特徴量を取得すると説明されていました。
候補投稿を複数のサービスから集め、特徴量を追加し、機械学習モデルで採点した後、投稿者の多様性、フォロー内外のバランス、重複、既読、可視性などを調整する構造でした。
2023年版は、多数のサービスと特徴量を組み合わせて推薦を作る設計でした。
2023年版は完全な実行環境ではなかった
2023年版の公式READMEには、多くのコンポーネントへBazelのBUILDファイルを含めている一方、トップレベルのBUILDファイルやWORKSPACEファイルは含めていないと明記されています。
そのため、公開リポジトリだけを取得して、Xの本番システム全体をそのまま構築できる状態ではありませんでした。
内部構造を理解するための重要資料でしたが、完成したXを再現する配布物ではありませんでした。
2026年版は推論可能性を高めた
2026年版は、候補取得からランキングまでを一つにつないだ推論パイプラインと、小型学習済みモデルを提供しています。
そのため、2023年版よりもコードを動かして構造を確認しやすくなっています。
ただし、本番の大規模モデル、全利用者データ、リアルタイム設定、計算インフラまでは含まれていません。
| 比較項目 | 2023年版 | 2026年版 |
|---|---|---|
| 公開主体 | xAI | |
| 中心的な構造 | 多数のサービスと約6,000特徴量 | Grok系Transformerと統合パイプライン |
| ライセンス | AGPL-3.0 | Apache License 2.0 |
| 学習済みモデル | 完全な本番モデルは含まれない | 約3GBの小型Phoenixモデルを収録 |
| 実行性 | トップレベルの完全なビルド設定なし | 候補取得からランキングまで実行可能 |
| 本番環境の再現 | 不可 | 本番全体の再現は不可 |
2026年版は試しやすくなりましたが、Xの本番環境全体を複製できるわけではありません。
✅X オープンソース 構造のメリット
コード公開によって、外部の開発者や研究者がXの説明を技術的に検証しやすくなります。
運営会社の説明と実装を照合できる
コードが非公開なら、外部の人は運営会社の説明や画面上の挙動から仕組みを推測するしかありません。
コードが公開されれば、候補取得、フィルター、採点、選抜が実際にどの順番で行われるのかを確認できます。
変更履歴を追えば、推薦構造がいつ、どのように変わったかも調査しやすくなります。
オープンソース化の大きな利点は、運営会社の自己申告だけに頼らず、実装を外部から検証できることです。
不具合や問題を多くの目で探せる
多数の開発者や研究者がコードを読めば、社内だけでは見つけにくい不具合、非効率な処理、安全性上の問題を発見できる可能性があります。
GitHubのIssueやPull Requestを使い、問題点や修正案を共有することもできます。
ただし、外部からの提案を採用するかどうかは運営側が決めます。
公開は問題を自動的に直す仕組みではなく、問題を発見して議論する入口を広げる仕組みです。
研究や教育の教材になる
大規模SNSの推薦システムには、機械学習だけでなく、リアルタイム処理、データ補足、重複除外、安全性確認、広告配置などが組み合わされています。
- 大学や研究機関による推薦システム研究
- 開発者が大規模システム設計を学ぶ教材
- 公平性や透明性を調べる監査研究
- スパムや有害コンテンツ検出の研究
- 別サービスの推薦機能を設計する参考資料
適切なライセンスと説明資料が維持されれば、Xの公開コードは実践的な技術教材になります。
⚠️X オープンソース 構造のデメリットと限界
オープンソース化は透明性を高める可能性がありますが、公開だけで公平性や安全性が保証されるわけではありません。
コードだけでは個別の表示理由を完全再現できない
同じコードでも、入力データ、モデル、設定が違えば結果は変わります。
- 利用者の閲覧・反応履歴
- 候補となる実際の投稿
- 本番用モデルの重み
- 利用地域や言語の設定
- 進行中のA/Bテスト
- リアルタイムの安全対策
- その時点のスコア重み
これらがなければ、公開コードだけで本番と同じタイムラインを再現できません。
コード公開によって仕組みは理解しやすくなりますが、「なぜ自分にこの投稿が出たか」を完全に説明できるとは限りません。
攻撃者やスパム業者もコードを調べられる
専門家が脆弱性を発見できる一方、攻撃者も同じコードを分析できます。
推薦へ影響する条件を調べ、大量投稿や不自然な反応によってシステムを操作しようとする人が現れる可能性もあります。
また、秘密鍵、認証情報、内部接続先などが誤って公開されれば、重大なセキュリティ問題につながります。
コード公開と継続的なセキュリティ対策を同時に進める必要があります。
公開版と本番版が一致し続けるとは限らない
公開時点で本番環境と同じでも、その後の変更がGitHubへ反映されなければ、公開版は古くなります。
第三者検証を有効にするには、次の情報が必要です。
- 監査を行う第三者の名称と独立性
- 確認するシステムの範囲
- コードを照合する方法
- 監査を行う頻度
- 確認できなかった範囲
- 監査結果の公開方法
本当の透明性は、一度公開したかどうかではなく、本番コードとの一致と継続更新によって評価すべきです。
| 期待できる点 | 残る限界 |
|---|---|
| 外部の専門家がコードを確認できる | 非公開データや運用設定は分からない |
| 不具合を発見しやすくなる | 攻撃者も同じコードを分析できる |
| 運営の説明を検証しやすくなる | 本番版との一致が続く保証はない |
| 研究や再利用が可能になる | ライセンスと公開範囲に左右される |
| 偏りを調べやすくなる | 公開しただけで偏りは消えない |
👀X オープンソース 構造で一般利用者と投稿者はどう変わるのか
オープンソース化は技術者向けのニュースに見えますが、一般利用者にも関係があります。
コード公開だけでタイムラインが変わるわけではない
コードの公開は、仕組みの見せ方に関する変更です。
それ自体が推薦ルールの変更を意味するわけではないため、公開当日にタイムラインが大きく変わるとは限りません。
外部から問題が指摘され、Xが修正を取り入れた場合には、長期的に表示品質や安全対策が変わる可能性があります。
利用者にとって重要なのは、公開という出来事そのものより、発見された問題が実際に修正されるかどうかです。
投稿者がバズる必勝法を得られるわけではない
公開コードから、どのような反応が予測対象なのか、どの投稿が除外される可能性があるのかを学べます。
しかし、「この形式なら必ず拡散する」「いいねが何件あれば上位へ行く」といった固定的な攻略法は導けません。
利用者ごとに反応履歴、フォロー関係、候補投稿、表示履歴が異なるためです。
さらに、ブロック、ミュート、報告などの否定的な反応も予測されています。
公開コードはバズる裏技集ではなく、推薦システムの基本設計を理解する資料です。
全コード公開後に確認すべき項目
| 確認項目 | 見るべき内容 |
|---|---|
| 実際の公開日 | 方針表明ではなく、本当に公開された日か |
| 公式リポジトリ | XまたはxAIが案内する正式な場所か |
| ライセンス | 利用、改変、再配布をどこまで認めるか |
| 公開範囲 | 検索、広告、安全対策、通知など何を含むか |
| 最終更新日 | 本番変更が継続して反映されているか |
| 第三者検証 | 誰が、何を、どの方法で確認したか |
| 確認できなかった範囲 | 監査対象外や非公開部分も説明されているか |
「全コード公開」という言葉の大きさではなく、公開物の中身と更新状況を確認しましょう。
🙋X オープンソース 構造についてよくある疑問
最後に、Xのコード公開をめぐって誤解されやすい点を整理します。
Xと同じSNSを誰でも作れるようになるのか
公開範囲とライセンスによっては、技術の一部を参考にしたり再利用したりできる可能性があります。
しかし、Xと同じ規模のSNSを運営するには、ソースコード以外にも次の資源が必要です。
- 世界規模のサーバーとネットワーク
- 膨大な投稿データ
- 利用者同士のつながり
- 本番用の大規模モデル
- リアルタイムの監視体制
- 安全対策と法令対応
- 広告や課金の運用基盤
コードは重要な設計図ですが、Xというサービスを成立させる資源のすべてではありません。
オープンソース化で偏りはなくなるのか
公開によって偏りを調査しやすくなる可能性はありますが、偏りが自動的になくなるわけではありません。
推薦結果は、コードのほか、学習データ、利用者の行動、目的関数、スコアの重み、評価方法にも左右されます。
さらに、何を公平と考えるかには社会的な価値判断も関わります。
オープンソース化は公平性を保証するものではなく、検証可能性を高める手段の一つです。
利用者の個人データも公開されるのか
通常、オープンソース化の対象はソフトウェアのコードです。
氏名、メールアドレス、非公開メッセージ、閲覧履歴などの個人データを公開することとは別です。
むしろ、秘密情報、認証情報、個人データなどがコードへ混入していないかを確認することが、公開前のセキュリティレビューで重要になります。
「コードの公開」と「利用者データの公開」を混同してはいけません。
📌X オープンソース 構造のまとめ
X オープンソース 構造を理解するうえで最も重要なのは、すでに公開された推薦コードと、今後予定されている全面公開を分けることです。
- 2026年7月15日にXの全コードを公開する方針が表明された
- 公開はセキュリティレビュー終了後とされている
- 2026年7月17日時点では全面公開は完了していない
- For You推薦システムの中核コードは公式GitHubで公開済み
- おすすめ欄は7段階の処理を経て作られる
- Phoenixは好意的・否定的な複数行動を予測する
- 手作業特徴量が減ってもフィルターや重み付けは残っている
- コード公開だけでは本番のタイムラインを完全再現できない
- 評価にはライセンス、本番との一致、継続更新、第三者検証が重要
Xの透明性が本当に向上するかは、公開されるファイルの量だけでは判断できません。
公開コードが本番環境と一致し、変更が継続的に反映され、第三者が確認できる状態が保たれるかが重要です。
全面公開が実施された際は、ニュースの見出しだけで判断せず、公式リポジトリ、ライセンス、最終更新日、監査結果まで確認してください。
📚引用・参考資料
- イーロン・マスク氏による2026年7月15日のX投稿
- xAI公式GitHub「X For You Feed Algorithm」
- X For You Feed Algorithm README
- X For You Feed Algorithm LICENSE
- 旧Twitter公式GitHub「X’s Recommendation Algorithm」
- 旧Home Mixer README
- Open Source Initiative「The Open Source Definition」
- GIGAZINE「イーロン・マスクがXのソースコード全公開を告知」