「何度スマホをかざしてもマイナンバーカードを読み取ってくれない…」

「マイナポータルアプリから元の画面に戻るとエラーになる…」

「Windows 10のパソコンでやろうとしたら、警告が出て先に進めない…」

確定申告(令和7年分)の準備を進めているあなた。

スマホ連携の不具合や、今年から激変したデジタル環境のせいで、パソコンやスマホを投げ出したくなっていませんか?

その気持ち、痛いほどよくわかります。

今年は、日本の税務申告において「過去最大級」の環境変化が起きています。

Windows 10のサポート完全終了(2025年10月)ID・パスワード方式の新規発行停止、そして基礎控除額の大幅引き上げ(最大95万円)に伴うシステム仕様変更など、例年通りのやり方が通用しない「落とし穴」だらけの年なのです。

しかし、安心してください。

今あなたが直面している「連携できない」というトラブルは、あなたの操作ミスではありません。

システムの過渡期における「構造的な壁」にぶつかっているだけです。

この記事では、最新のファクトチェックに基づき、「なぜ連携できないのか」を技術的に解明し、確実に解決するための手順を網羅しました。

税務署の電話相談は数時間待ちが当たり前です。

この記事が、あなたの専属テクニカルサポートになります。

深呼吸をして、一つずつ設定を見直していきましょう。

【重要】2026年の確定申告が「連携エラー」だらけになる4つの理由

具体的な対処法に入る前に、なぜ今年これほどまでにトラブルが多発しているのか、その背景を理解しておきましょう。敵を知ることは解決への近道です。

1. Windows 10 サポート終了による「切り捨て」

最も深刻なのがこの問題です。Windows 10 Home and Pro のサポートは、2025年10月14日をもって完全に終了しました。

「まだ動くから大丈夫」と思っていませんか? e-Taxのような高度なセキュリティを要求するシステムにおいて、サポート終了OS(EOS)は「使用禁止」と同義です。OSが管理する「ルート証明書」が更新されないため、国税庁のサーバーと安全な通信が確立できず、接続エラーが頻発します。また、Windows 10向けのブラウザ更新も止まりつつあり、マイナポータル連携に必要な拡張機能が動作しないケースが急増しています。

2. ID・パスワード方式の「新規発行停止」

これまで、「マイナンバーカード読み取りが面倒だから」という理由で、税務署で発行してもらったIDとパスワードだけで申告していた方も多いでしょう。しかし、ID・パスワード方式の新規発行は、2025年10月1日をもって原則停止されました。

これからe-Taxを始める人は、マイナンバーカードとスマホが必須です。「連携できないから税務署でIDをもらおう」という逃げ道は、もう塞がれていると考えてください(※過去に発行済みの人は経過措置として利用可能です)。

3. 基礎控除額「最大95万円」への引き上げとシステム混乱

令和7年度税制改正により、基礎控除額が従来の48万円から、最大95万円(合計所得金額132万円以下の場合)へと大幅に引き上げられました。

これに伴い、給与所得控除と合わせた非課税ライン(いわゆる年収の壁)も変更されています。古いバージョンの会計アプリや、キャッシュが残ったブラウザを使っていると、旧税制(48万円ベース)の計算ロジックと、国税庁の新システム(95万円/58万円ベース)の間でデータの整合性が取れず、「予期せぬエラー」として弾かれる事例があります。アプリのアップデートは絶対条件です。

4. iPhone・Androidの仕様変更と過渡期

2025年6月から、iPhoneにも「スマホ用電子証明書」が搭載されました。これにより「カードレス」での手続きが進みましたが、全てのアプリが完全対応したわけではありません。「ここはカードが必要」「ここはスマホだけでOK」という混在状態が、ユーザーの混乱(操作ミス)を招いています。

【iPhone編】連携できない原因の8割は「Safari」の設定にある

iPhoneユーザー(iOS)で「連携できない」「アプリがループする」「画面が真っ白になる」という症状のほとんどは、ブラウザ「Safari」の設定に原因があります。ChromeやFirefoxなどの別ブラウザを使っていても、マイナポータルアプリは内部的にSafariの仕組み(WebView)を呼び出すため、以下の設定見直しは必須です。

1. 「プライベートブラウズモード」の完全解除

これがエラー原因のNo.1です。Safariの「プライベートブラウズモード(黒い枠の画面)」は、閲覧履歴やCookie(クッキー)を保存しないモードです。

マイナポータル連携やe-Taxは、ページ遷移の間に「あなたが誰か」という認証情報(セッション)を一時的に保存しながら進む仕組みになっています。プライベートモードだと、この重要な情報がページ移動のたびに消去されてしまうため、「ログイン状態が維持できない」=「連携失敗」となります。

【解決手順】プライベートモードの確認と解除

  1. Safariアプリを開きます。
  2. 画面右下の「タブ」アイコン(四角が2つ重なったマーク)をタップします。
  3. 画面下部中央のリスト(「プライベート」や「タブ」と書かれている部分)をタップしてメニューを開きます。
  4. ここで「プライベート」にチェックが入っていたらNGです。必ず「(数字)個のタブ」と書かれている通常のモードを選択してください。
  5. 画面の上下のバーの色が、黒から白(または薄いグレー)に変われば解除成功です。この状態で再度、最初から申告作業を行ってください。

2. コンテンツブロッカーとサイト越えトラッキング設定

「広告ブロックアプリ(280blockerなど)」や、Safariのプライバシー設定が、マイナポータルへの遷移を「不審なリダイレクト」として遮断している可能性があります。

  • ポップアップブロックの解除:「設定」>「Safari」>「ポップアップブロック」をOFF(白)にします。
  • 拡張機能のオフ:「設定」>「Safari」>「機能拡張」を確認し、広告ブロック系のアプリを一時的に全てOFFにします。
  • サイト越えトラッキングを防ぐをOFF:「設定」>「Safari」>「サイト越えトラッキングを防ぐ」をOFFにしてください。これがONだと、会計アプリ(freee等)とマイナポータル間でのデータの受け渡しが失敗することがあります。

3. デフォルトブラウザを「Safari」に戻す

普段Google ChromeやYahoo!アプリを使っている場合でも、確定申告の電子署名プロセスではSafariが最も安定します。特に国税庁の「確定申告書等作成コーナー(スマホ版)」はSafari推奨です。

「設定」>「Safari」>「デフォルトのブラウザApp」と進み、一時的に「Safari」にチェックを入れておきましょう。Chromeがデフォルトだと、アプリからブラウザに遷移する際に予期せぬ挙動(認証情報の欠落)を起こすことがあります。

【Android編】機種で全く違う「NFC読み取り位置」の正解図解

Androidユーザーにとって最大の壁は、「マイナンバーカードをどこにかざせばいいか分からない」問題です。iPhoneは上部背面で統一されていますが、Androidは機種によってセンサー位置がバラバラです。「スマホの真ん中に置けばいい」という常識は捨ててください。

1. 「NFC/おサイフケータイロック」の解除忘れ

基本中の基本ですが、見落としがちです。普段、誤作動防止のためにNFCロックをかけていませんか?

【解決手順】NFC設定の確認

  1. スマホの「設定」アプリを開きます。
  2. 「接続済みのデバイス」または「無線とネットワーク」をタップ。
  3. 「NFC/おサイフケータイ設定」を選択。
  4. 「NFC/おサイフケータイロック」がOFFになっていることを確認。
  5. 同時に「Reader/Writer, P2P」機能がONになっていることも確認してください。ここがOFFだと、読み取り機能自体が停止しています。

2. メーカー・機種別読み取り位置(2026年最新版)

特に最新機種では、カメラの大型化に伴いアンテナ位置が移動しているケースがあります。お手持ちの機種を確認してください。

Xperiaシリーズ(注意!)
以前は「FeliCaマーク」が目印でしたが、Xperia 1 VIなどの最新機種では、「端末背面の最上部中央(カメラユニット周辺)」にアンテナがある場合があります。マークの位置と実際の読み取り位置がズレていることがあるため、端末の上端をカードの中心に合わせるように動かしてみてください。
Google Pixelシリーズ
Pixel 6, 7, 8, 9などは、背面のカメラバー(出っ張り)の周辺にアンテナがあります。カードの上に、カメラバーを引っ掛けるようなイメージで端末を置くと成功しやすいです。
Galaxyシリーズ
背面の中央付近にアンテナがあることが多いですが、ここは「ワイヤレス充電(Qi)」のコイルとも重なる位置です。充電器に置いたときのような発熱や干渉が起きやすいため、位置合わせは慎重に行う必要があります。
折りたたみスマホ(Galaxy Z Flip/Fold等)
機種により、端末の下半分にあったり、閉じた状態での読み取りを推奨していたりと特殊です。必ずメーカー公式サイトで図解を確認してください。

3. 標準ブラウザではなく「Chrome」を使う

Androidにはメーカー独自のブラウザ(地球儀アイコンなど)が入っていますが、e-Taxはこれらをサポートしていません。必ず「Google Chrome」を使用してください。 また、Chromeの設定で「ライトモード(データ節約)」がONになっていると通信エラーの原因になるため、OFFにしておきましょう。

「読み取りエラー(MKCZ346E)」を消滅させる物理的対策

エラーコード「MKCZ346E」は、マイナンバーカードとの通信エラーを示します。設定は合っているのにこれが出る場合、原因は「物理的な干渉」です。以下の対策を徹底してください。

1. 金属製の机とスマホケースは「天敵」

  • 金属干渉(Metal Interference): 会社の事務机や、スチール製のテーブルの上で操作していませんか? 金属はNFCの電波を吸収してしまいます(渦電流損)。机から持ち上げて空中でかざすか、分厚い雑誌を敷いて、机の金属面から5cm以上離してください。
  • スマホケースの厚み: 手帳型ケースや、カード収納ポケット付きの分厚いケースは、電波を遮断します。普段のコンビニ支払い(FeliCa)は感度が良いため通りますが、マイナンバーカード(Type B)の読み取りはよりシビアで、多くの電力が必要です。面倒でも、申告時は必ずケースを外してください。これが最強の解決策です。

2. ケーブルを抜け!「ノイズ」の除去

充電ケーブルを挿したまま、あるいはイヤホンジャックにイヤホンを挿したまま操作していませんか? これらは微弱な電気ノイズを発生させ、NFC通信を妨害することがあります。充電を十分にしてから、全てのケーブルを抜いて操作しましょう。

3. 「5秒ルール」の徹底

画面に「読み取り完了」と出る前にカードを動かしていませんか?
「ピピッ」と音が鳴った瞬間は、まだ「カードを見つけた」段階です。そのあと、暗証番号の照合や電子署名の送信といった重い処理が行われます。スマートフォンのNFCリーダーは間欠的に動いているため、タイミングが悪いと接続に時間がかかります。

音が鳴っても、画面が完全に切り替わるまで、絶対にカードとスマホを動かさないでください。最低でも5秒、長ければ10秒ほど静止する必要があります。

アプリ別トラブルシューティング(freee・弥生・マネーフォワード)

主要な会計アプリごとに、特有の「ハマりポイント」と解決策を解説します。

freee会計:「アプリ内ブラウザ」の罠

症状: freeeアプリからマイナポータルに飛び、認証したはずなのに、freeeに戻ると白い画面やローディングのまま進まない。

原因と対策: アプリに内蔵されたブラウザ(WebView)が、高度な認証処理に対応しきれていないケースがあります。
無理にアプリで完結させようとせず、「Chrome(Android)」や「Safari(iOS)」を直接起動し、Web版のfreee会計にログインして操作してください。 ブラウザ版の方が圧倒的に動作が安定しています。

マネーフォワード クラウド確定申告:連携解除の落とし穴

症状: マイナンバーカードを更新したり、家族のカードと間違えて連携した場合に、正しく解除できない。

原因と対策: アプリ上で表示を消しただけでは、システム内部の連携(Token)は残ったままです。以下の手順で「完全な解除」を行ってください。

  1. Web版のマネーフォワードにログインする。
  2. 「データ連携」>「登録済みの金融機関」>「外部サイトとの連携」へ進む。
  3. 「国税電子申告・納税システム(e-Tax)」の横にある「ゴミ箱アイコン」、または詳細画面内の「連携解除」ボタンをクリックする。

弥生(やよいの青色申告):QRコードとカメラ権限

症状: PC画面のQRコードを読み取るためのアプリ「弥生 電子署名」で、カメラが起動しない、またはQRコードが読み取れない。

原因と対策:

  • カメラ権限: スマホの「設定」>「プライバシー」>「カメラ」から、弥生アプリのアクセス許可がONになっているか確認してください。
  • QRコードの期限切れ: 表示されたQRコードはセキュリティのため数分で無効になります。読み取りに手間取った場合は、PC画面の「更新」ボタンを押して新しいQRコードを表示させてください。

「Windows 10」と「エラーコードEW144-1500」の致命的な関係

もしあなたがPC(Windows)で申告を行っていて、エラーコード「EW144-1500」が出ているなら、事態は深刻です。

エラーコード「EW144-1500」の正体

これは、PCが「ICカードリーダーを認識できない」または「システム的な接続不全」を示しています。特に今年多い原因が、「Windows 10から11への移行失敗」や「ドライバの不整合」です。

Windows 10はサポートが終了しているため、最新のICカードリーダーのドライバが正常に動作しない可能性があります。以下の手順を試してください。

  1. USBケーブルを別のポートに挿し直す。
  2. デバイスマネージャーを開き、「スマートカード読み取り装置」に「!」マークが出ていないか確認する。
  3. メーカー公式サイトから、「Windows 11対応」の最新ドライバをダウンロードし、再インストールする。
  4. Windowsの「サービス」管理画面を開き、「Smart Card」というサービスが「実行中」になっているか確認する。停止していれば「開始」にする。

Windows 10での申告は「危険」です

繰り返しになりますが、Windows 10でのe-Tax利用は、セキュリティ更新が行われないため、フィッシング詐欺や個人情報漏洩のリスクが極めて高い状態です。「動くから使う」のではなく、セキュリティソフトを入れたとしてもOS自体の穴は塞げないため、Windows 11搭載機への買い替え、またはスマホ単体での申告への切り替えを強く推奨します。

どうしても解決しない場合の「緊急回避策」

「いろいろ試したけど、もうダメだ! 時間がない!」
そんな場合は、無理にスマホ連携に固執せず、別のルートでゴール(申告完了)を目指しましょう。

1. PC + スマホ(2次元バーコード認証)のハイブリッド

PC(Windows 11またはMac)を持っているなら、申告書の作成はPCの大きな画面で行い、最後のマイナンバーカード読み取りだけスマホを使う「2次元バーコード認証(QRコード認証)」を利用しましょう。
スマホ側で複雑なアプリ操作をする必要がなく、単に標準カメラ等でQRを読み取るだけなので、アプリ連携エラーのリスクを回避できます。

2. コンビニ印刷して郵送(e-Tax控除は諦める)

e-Taxなら最大65万円の青色申告特別控除が受けられますが、郵送だと55万円に減額されます(※基礎控除最大95万円と合わせて計算)。しかし、エラーで何日も悩むコストを考えれば、10万円分の控除差額(税額にして数千円〜数万円程度)を諦めて、紙で出して終わらせるのも賢い判断です。
スマホで作った申告書をPDF保存し、コンビニで印刷して税務署に郵送しましょう。消印が3月15日までなら有効です。

まとめ:環境さえ整えれば、スマホ連携は怖くない

確定申告でスマホ連携ができない原因は、魔法のように解決するものではなく、地道な「環境設定」の積み重ねで解消します。

最終チェックリスト

  • iPhoneなら「Safariのプライベートモード」を解除しましたか?
  • Androidなら「NFCロック解除」を確認し、「機種ごとの正しい位置」を把握しましたか?
  • スマホケースを外しましたか?
  • 金属製の机を避け、5秒以上かざし続けましたか?
  • Windows 10の使用を止め、安全な端末を使っていますか?
  • 基礎控除が最大95万円に変わったことを認識し、アプリを最新版にしましたか?

 

これらの対策を一つずつ潰していけば、必ず「送信完了」の画面に辿り着けます。

焦らず、まずはケースを外して、ブラウザの設定を見ることから始めてください。

あなたの確定申告が無事に完了し、スッキリした気持ちで春を迎えられることを心から応援しています。

※本記事は2026年2月8日時点の情報を基に作成しています。税制改正(基礎控除最大95万円等)やOSのサポート状況は、国税庁およびマイクロソフトの公式発表に基づきます。正確な税額計算については、最新の確定申告の手引きをご参照ください。