4070 Tiと3090を徹底比較!ゲーム性能・クリエイティブ・コスパで見る「今、買うべきグラボ」の最終結論
2025/09/08
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新世代の覇者か、元最強の王者か。究極の選択を迫られるあなたへ
自作PCの世界へようこそ。
あるいは、愛機のアップグレードを検討中の熟練プレイヤーの皆様、こんにちは。
今、あなたの目の前には非常に悩ましく、そしてエキサイティングな選択肢が提示されています。
それは、NVIDIA GeForce RTX 4070 TiとRTX 3090、この2つの高性能グラフィックボード(グラボ)のどちらを選ぶべきかという問題です。
片や、最新の「Ada Lovelace」アーキテクチャを引っ提げ、驚異的な電力効率と「DLSS 3」という未来の技術で武装した新世代のチャレンジャー、RTX 4070 Ti。
片や、一世代前の「Ampere」アーキテクチャのフラッグシップとして君臨し、今なお色褪せない絶対的なパワーと、24GBという圧倒的なVRAM容量を誇る元最強の王者、RTX 3090。
「スペック表の数字は見たけど、実際のゲームでどれくらい違うの?」
「WQHDモニターを使っている自分には、どちらが最適なんだろう?」
「クリエイティブな作業もするんだけど、VRAMは12GBで本当に足りる?」
「消費電力や将来性を考えたら、結局どっちがお得なの?」
――そんな尽きない疑問をお持ちではないでしょうか。
ご安心ください。
この記事は、そんなあなたのための究極のガイドブックです。
単なるスペックの羅列ではありません。
2025年現在の最新情報と無数のベンチマークデータを基に、両者の真実の性能差を徹底的に解き明かします。
この記事を読み終える頃には、あなたは自信を持って、自身のプレイスタイル、作業内容、そして予算に完璧にマッチした一枚を選び取ることができるでしょう。
結論から少しだけお見せすると、ほとんどのPCゲーマーにとってはRTX 4070 Tiが極めて合理的な選択となります。
しかし、ある特定の用途においては、RTX 3090が今なお唯一無二の輝きを放つのもまた事実です。
その理由を、これからじっくりと、深く、そして分かりやすく解説していきます。
さあ、究極のグラボ選びの旅を始めましょう。
【結論ファースト】時間がないあなたへ!4070 Tiと3090、比較の最終結論
本編に入る前に、多忙なあなたのために結論を要約します。
あなたの目的によって、最適な選択は異なります。
✅ こんなあなたにはRTX 4070 Tiがおすすめ!
- WQHD(1440p)や4K解像度で、最新のPCゲームを快適なフレームレートでプレイしたい純粋なゲーマー
- 初期投資だけでなく、電気代も含めたトータルコストパフォーマンスを重視する賢い消費者
- AIによるフレーム生成技術「DLSS 3」の恩恵を最大限に受け、未来のゲームにも備えたい方
- 最新のアーキテクチャによる高いワットパフォーマンス(電力効率)を求める方
✅ こんなあなたにはRTX 3090がおすすめ!
- 8K動画編集、大規模な3Dモデリングやレンダリングなど、VRAMを20GB以上消費するプロフェッショナルなクリエイター
- AI開発や機械学習で、巨大なデータセットを扱う研究者・開発者
- 中古市場でコンディションの良い個体を、4070 Tiよりも大幅に安く入手できるチャンスを掴んだ方
- 「性能とはVRAM容量である」という信念を持つ、ロマンを求めるユーザー
要約すると、「ゲームメインなら4070 Ti」「特定の超重量級クリエイティブ作業なら3090」というのが、現在の基本的な考え方になります。
では、なぜこのような結論に至るのか、その詳細な根拠をこれから見ていきましょう。
【基本スペック比較】全ての性能の源泉!4070 Tiと3090の設計思想を読み解く
性能比較の前に、まずは両者の設計思想の違いが表れる基本スペックを確認します。
ここを理解することが、後々の性能差を読み解く鍵となります。
アーキテクチャの違い:スマートな効率の「Ada Lovelace」 vs 絶対的物量の「Ampere」
グラボの心臓部であるGPUアーキテクチャ。
4070 Tiは「Ada Lovelace」、3090は「Ampere」を採用しており、これが両者の最も根源的な違いです。
- Ada Lovelace (RTX 4070 Ti): TSMCの4nmという非常に微細なプロセスで製造されています。
これにより、同じ面積により多くのトランジスタを搭載でき、クロック周波数の向上と電力効率の大幅な改善を実現しました。
第3世代RTコア、第4世代Tensorコアを搭載し、特にレイトレーシング性能と、後述するDLSS 3の核となる技術が盛り込まれています。
- Ampere (RTX 3090): Samsungの8nmプロセスで製造。
当時の技術の粋を集めたモンスターGPUであり、CUDAコア数を大幅に増やして純粋な演算性能を高めるアプローチを取りました。
第2世代RTコア、第3世代Tensorコアを搭載し、今日のリアルタイムレイトレーシングを普及させた立役者です。
簡単に言えば、3090が物量作戦でパワーを追求したのに対し、4070 Tiはよりスマートな新技術と効率でパフォーマンスを引き出す設計思想と言えるでしょう。
詳細スペック比較表:4070 Ti vs 3090
百聞は一見に如かず。
両者のスペックを一覧表で比較してみましょう。
太字が優れている、あるいは特徴的な部分です。
| スペック項目 | NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti | NVIDIA GeForce RTX 3090 |
|---|---|---|
| GPUアーキテクチャ | Ada Lovelace | Ampere |
| 製造プロセス | TSMC 4N | Samsung 8N |
| CUDAコア数 | 7,680基 | 10,496基 |
| ブーストクロック | 2,610 MHz | 1,695 MHz |
| VRAM容量 | 12 GB | 24 GB |
| VRAM種類 | GDDR6X | GDDR6X |
| メモリバス幅 | 192-bit | 384-bit |
| メモリ帯域幅 | 504.2 GB/s | 936.2 GB/s |
| Tensorコア | 第4世代 | 第3世代 |
| RTコア | 第3世代 | 第2世代 |
| DLSS対応 | DLSS 3 | DLSS 2 |
| 消費電力 (TDP) | 285 W | 350 W |
| 推奨電源ユニット | 700W以上 | 750W以上 |
| 発売時MSRP | $799 | $1,499 |
【重要ポイント解説】スペック表の数字があなたにどう影響するのか?
スペック表だけ見ても、よくわからないかもしれません。
ここでは特に重要な3つのポイントを深掘りし、あなたのPC体験にどう影響するのかを解説します。
ポイント① VRAM容量とメモリ性能:12GBの4070 Ti vs 24GBの3090
この比較で誰もが最初に注目するのがVRAM容量でしょう。
12GB対24GB。
この2倍の差は非常に大きく見えます。
VRAM(ビデオメモリ)は、GPUが処理するゲームのテクスチャ(物体の表面の絵)や画面の情報を一時的に保存しておく高速な作業スペースです。
ここが不足すると、PCのメインメモリやストレージといった低速な場所にデータを取りに行く必要が生まれ、パフォーマンスが著しく低下(カクつきやフレームレートの低下)します。
重要なのは「あなたの用途で、本当に24GBも必要なのか?」という点です。
- ゲーミングにおけるVRAM:2025年現在、多くの最新AAAタイトルを4K解像度・最高設定でプレイしても、VRAM使用量は10GB~14GB程度に収まることがほとんどです。
つまり、4070 Tiの12GBは、多くの場面で十分、あるいは少し心許ない境界線上にあります。
しかし、一部の極端に最適化されていないゲームや、将来の超高画質ゲームを見据えると、12GBでは不足する可能性は否定できません。
- クリエイティブ作業におけるVRAM:ここが3090の独壇場です。
8K解像度の動画編集、数千万ポリゴンを超える3Dモデルのレンダリング、医療用画像解析、大規模なAIの学習モデルなどでは、VRAMを20GB以上消費することも珍しくありません。
このようなプロフェッショナルな用途では、4070 Tiの12GBは完全なボトルネックとなり、3090の24GBが必須となります。
また、メモリバス幅と帯域幅も重要です。
これは「VRAMとGPUコアを結ぶデータの通り道の広さ」を示します。
3090は384-bitと非常に広く、帯域幅も4070 Tiの約1.8倍です。
これにより、一度に大量のデータをGPUに送り込むことができ、特に4K以上の高解像度での性能維持に貢献します。
ポイント② 消費電力(TDP)とワットパフォーマンス
次に注目すべきは消費電力(TDP)です。
4070 Tiが285Wであるのに対し、3090は350W。
この65Wの差は、見過ごせない大きな違いを生み出します。
- 電気代:毎日数時間ゲームをプレイする場合、年間で見ると数千円単位の差になる可能性があります。
長期的なランニングコストを考えるなら、4070 Tiが有利です。
- 発熱と冷却:消費電力が低いということは、発熱も少ないということ。
PCケース内のエアフローに余裕が生まれたり、より静かな冷却ファンで運用できたりするメリットがあります。
特に静音性を重視するユーザーには重要なポイントです。
- 電源ユニット(PSU)の選択:3090は最低でも750W、できれば850W以上の高品質な電源が推奨されます。
一方、4070 Tiは700Wクラスの電源でも安定して動作させることが可能です。
電源ユニットのコストも抑えられる可能性があります。
この電力効率、すなわちワットパフォーマンス(1Wあたりの性能)こそが、Ada Lovelace世代の最大の強みなのです。
ポイント③ 新技術:DLSS 3は4070 Tiだけの特権
DLSS (Deep Learning Super Sampling)は、AIを使って低い解像度でレンダリングした映像を高画質化し、フレームレートを向上させるNVIDIAの革新的な技術です。
- DLSS 2 (RTX 3090): AIによる高画質化(Super Resolution)機能を提供します。
これだけでもフレームレートは大幅に向上します。
- DLSS 3 (RTX 4070 Ti): DLSS 2の機能に加え、「フレーム生成 (Frame Generation)」という全く新しい機能が追加されました。
これは、ゲームエンジンを介さず、GPUが前後のフレームを解析して、その間にAIが全く新しいフレームを「創造」して挿入する技術です。
この「フレーム生成」の効果は絶大で、DLSS 3対応ゲームでは、4070 Tiが3090を圧倒するフレームレートを叩き出します。
これは純粋なGPUパワーの差を覆すほどの「ゲームチェンジャー」であり、4070 Tiを選ぶ最大の理由の一つと言えるでしょう。
この革新的な技術の詳細は、開発元であるNVIDIAの公式サイトで、より深く理解することができます。
【ゲーミング性能 徹底比較】4070 Tiと3090、ゲームの世界で勝つのはどっち?
さて、いよいよ本題のゲーミング性能比較です。
様々なベンチマークと実際のゲームタイトルで、両者の実力を見ていきましょう。
総合ベンチマークスコア比較 (3DMark)
まずは、グラフィック性能の定番ベンチマークソフト「3DMark」のスコアを見てみましょう。
これは両者の地力を測る上で参考になります。
| 3DMark テスト | RTX 4070 Ti (スコア) | RTX 3090 (スコア) | 勝者 |
|---|---|---|---|
| Time Spy (WQHD, DX12) | 約 22,500 | 約 19,800 | 4070 Ti |
| Time Spy Extreme (4K, DX12) | 約 11,000 | 約 10,000 | 4070 Ti |
| Port Royal (レイトレーシング) | 約 14,500 | 約 12,800 | 4070 Ti |
| DLSS Feature Test (4K) | 約 125 fps (DLSS 3) | 約 75 fps (DLSS 2) | 4070 Ti (圧勝) |
※スコアは構成や環境により変動します。
この結果から分かるように、純粋なレンダリング性能(ラスタライゼーション)やレイトレーシング性能において、4070 Tiは3090を10%~15%程度上回ります。
そして、DLSS性能比較では、フレーム生成を持つDLSS 3がDLSS 2を圧倒しており、その差は歴然です。
【解像度別】人気ゲームタイトル フレームレート(fps)実測比較
ベンチマークも重要ですが、やはり気になるのは実際のゲームでのパフォーマンス。
ここではいくつかの人気タイトルを例に、解像度別に比較します。
(DLSSはオフ、または両者とも同設定の「品質」モードでの比較)
フルHD (1920x1080) での4070 Tiと3090の比較
フルHD環境では、両者とも性能が高すぎてCPUがボトルネックになる(CPUの処理が追いつかず、グラボの性能を使い切れない)ことが多いです。
そのため、差がつきにくい傾向にあります。
- Apex Legends (最高設定):
- RTX 4070 Ti: 平均 290-300 fps
- RTX 3090: 平均 280-290 fps
- 所感:ほぼ互角。
どちらもeスポーツの基準を遥かに超える性能です。
- Fortnite (DX12, 最高設定):
- RTX 4070 Ti: 平均 150 fps
- RTX 3090: 平均 140 fps
- 所感:4070 Tiがやや優勢です。
WQHD (2560x1440) での4070 Tiと3090の比較
現在のゲーミングモニターで主流となっているWQHD解像度。
ここが両者の性能差を比較するのに最も適した舞台と言えるでしょう。
- Cyberpunk 2077 (ウルトラ設定, RT:オフ):
- RTX 4070 Ti: 平均 120 fps
- RTX 3090: 平均 105 fps
- 所感:4070 Tiが明確に優位。
快適なプレイ体験に差が出るレベルです。
- Starfield (ウルトラ設定):
- RTX 4070 Ti: 平均 85 fps
- RTX 3090: 平均 75 fps
- 所感:ここでも4070 Tiが安定して高いパフォーマンスを発揮します。
4K (3840x2160) での4070 Tiと3090の比較
グラボにとって最も負荷のかかる4K解像度。
ここではメモリ帯域幅の広い3090がどこまで食い下がるかに注目です。
- Red Dead Redemption 2 (最高設定):
- RTX 4070 Ti: 平均 80 fps
- RTX 3090: 平均 78 fps
- 所感:性能差は僅差。
ほぼ同等の体験です。
- Alan Wake 2 (高設定, RT:オフ):
- RTX 4070 Ti: 平均 55 fps
- RTX 3090: 平均 50 fps
- 所感:非常に重いタイトルでも4070 Tiが優位を保ちます。
しかし、どちらもDLSSなしでは厳しい戦いです。
【機能別】レイトレーシングとDLSS性能の比較
ここが新旧世代の決定的な違いが表れるポイントです。
レイトレーシング性能比較:4070 Ti vs 3090
光の反射や屈折をリアルに再現するレイトレーシングは、非常に重い処理です。
第3世代RTコアを持つ4070 Tiは、第2世代RTコアの3090よりもこの処理に最適化されています。
Cyberpunk 2077 (WQHD, RT:ウルトラ設定) での比較
- RTX 4070 Ti: 平均 70 fps
- RTX 3090: 平均 60 fpsレイトレーシングをONにすると、4070 Tiの優位性がさらに広がります。
より少ないパフォーマンス低下で、高品質な映像を楽しめるのが4070 Tiの強みです。
DLSS性能比較:4070 Ti (DLSS 3) vs 3090 (DLSS 2)
そして、最大のゲームチェンジャー、DLSS 3の登場です。
Cyberpunk 2077 (4K, RT:オーバードライブ設定, DLSSパフォーマンス) での比較
- RTX 4070 Ti (DLSS 3 フレーム生成ON): 平均 110 fps
- RTX 3090 (DLSS 2): 平均 55 fps信じられないかもしれませんが、これが現実です。
DLSS 3のフレーム生成を有効にすると、4070 Tiは3090のほぼ2倍のフレームレートを叩き出します。
これまで「重すぎてまともに遊べない」とされていた設定でも、快適なプレイが可能になるのです。
DLSS 3に対応したゲームをプレイするなら、もはや比較になりません。
【クリエイティブ性能 徹底比較】VRAM 24GBの3090はクリエイターの救世主か?
ゲームでは4070 Tiが優勢でしたが、プロのクリエイティブの現場ではどうでしょうか。
ここでは3090のVRAM 24GBが牙を剥きます。
動画編集 (Adobe Premiere Pro / DaVinci Resolve) での比較
4K動画編集では両者に大きな差は出にくいですが、8K RAW動画など、超高解像度の素材を扱うと話は変わります。
- 8K動画のタイムラインプレビュー:VRAMを大量に消費するため、12GBの4070 Tiではカクつきやプレビュー解像度の低下が発生しやすくなります。
一方、24GBの3090はスムーズなプレビューを維持できます。
- エンコード(書き出し)時間:純粋なエンコード速度はGPUの演算性能に依存するため、4070 Tiの方が若干速い場合があります。
しかし、プロジェクトが複雑でVRAM使用量が多い場合、3090の方が安定して処理を終えられることがあります。
3Dレンダリング (Blender / V-Ray) での比較
3D制作の現場では、VRAMは命です。
- Blender Benchmark (GPU):
- RTX 4070 Ti: 高いスコアを出すが、シーンによっては限界がある。
- RTX 3090: 非常に高いスコアを維持し、安定している。
- 大規模シーンのレンダリング:数千万ポリゴンのモデル、4Kや8Kの高解像度テクスチャを大量に使用するシーンでは、VRAMが12GBを超えた瞬間に4070 Tiのパフォーマンスは極端に低下します(Out-of-Coreという低速な処理になる)。
3090は24GBのメモリでこれらのデータを余裕で保持し、高速なレンダリングを続行できます。
この用途では、3090が圧勝します。
クリエイター向け結論:あなたの作業内容に最適なのは4070 Tiか3090か
もしあなたの作業が「趣味の範囲の動画編集や、比較的小規模な3D制作」であれば、4070 Tiの性能で十分満足できるでしょう。
しかし、「仕事で大規模な3D建築ビジュアライゼーションを手掛けている」「8Kシネマカメラの映像を扱う」「AIで巨大な画像データを学習させる」といったプロフェッショナルな要求があるなら、選択肢はRTX 3090一択となります。
【価格とコストパフォーマンス】本当に「お買い得」なのはどっち?4070 Tiと3090の価値を分析
性能が分かったところで、次はお財布との相談です。
発売時価格と現在の市場価格の比較
- 発売時MSRP: 4070 Ti ($799) vs 3090 ($1,499)。
発売時点では倍近い価格差がありました。
- 2025年現在の市場価格:
- RTX 4070 Ti (新品): 約12万円~15万円程度で推移。
- RTX 3090 (新品): 在庫は稀。
ほぼ流通していません。
- RTX 3090 (中古): 約10万円~13万円程度。
コンディションや保証の有無で大きく変動します。
現在、新品で買うなら4070 Ti、中古市場では両者が似たような価格帯で競合している状況です。
中古の3090は魅力的に見えますが、保証切れやマイニングでの酷使といったリスクも考慮する必要があります。
コストパフォーマンス分析①:フレームあたりの価格
ゲーマーにとって最も重要な指標、「1fpsを出すのにいくらかかるか」。
仮に4070 Tiを13万円、3090(中古)を12万円として、WQHDのCyberpunk 2077 (120fps vs 105fps)で計算してみましょう。
- RTX 4070 Ti: 130,000円 ÷ 120fps = 約1,083円/fps
- RTX 3090: 120,000円 ÷ 105fps = 約1,142円/fps
この例では、ゲーム性能におけるコストパフォーマンスはRTX 4070 Tiが優れていることが分かります。
新品の保証が付くことを考えれば、その差はさらに広がります。
コストパフォーマンス分析②:ワットパフォーマンスと総所有コスト
前述の通り、「1Wあたりの性能」は4070 Tiが3090を圧倒しています。
これは、より少ない電力で高い性能を発揮できることを意味し、長期的な電気代の節約と、PC全体の静音性・冷却性の向上に繋がります。
グラボ本体の価格だけでなく、電源ユニットやPCケースの選択肢、そして日々の電気代まで含めた「総所有コスト」で考えると、4070 Tiの優位性はさらに際立ちます。
【将来性の考察】3年後、5年後も戦えるのは4070 Tiか、3090か?
グラボは高価な投資。
できるだけ長く使いたいと思うのは当然です。
両者の将来性を考えてみましょう。
4070 Tiの将来性:DLSS 3と電力効率が武器
4070 Tiの最大の強みは、将来のゲームの標準技術となる可能性が高いDLSS 3に対応している点です。
今後、重いゲームが出れば出るほど、DLSS 3のフレーム生成の価値は相対的に高まっていきます。
純粋なGPUパワーが足りなくなっても、DLSS 3が性能を補い、プレイ体験を維持してくれるでしょう。
まさに「未来への投資」と言えます。
3090の将来性:VRAM 24GBという保険
一方、3090の武器はVRAM 24GBという絶対的な物量です。
今後、ゲームのグラフィックがさらに進化し、4Kテクスチャが当たり前、8Kテクスチャも使われるようになれば、VRAMの要求量は確実に増加します。
その時、12GBの4070 TiがVRAM不足で脱落し、24GBの3090が生き残る、というシナリオも十分に考えられます。
「大は小を兼ねる」を信じるなら、3090は魅力的な「保険」です。
総合的な将来性評価:どちらの投資が報われるか
これは非常に難しい問題ですが、多くのゲーマーにとっては、4070 Tiの方が報われる可能性が高いと考えられます。
なぜなら、VRAM不足はテクスチャ設定を下げることで回避できますが、DLSS 3のような技術はハードウェアが対応していなければどうにもならないからです。
ゲーム開発者も、普及率の高いVRAM容量に合わせて最適化を行う傾向があるため、12GBがすぐ使えなくなる可能性は低いでしょう。
しかし、クリエイティブ用途でVRAMが生命線であるユーザーにとっては、この評価は逆転します。
【よくある質問 FAQ】4070 Tiと3090の比較で気になる疑問点
ここでは、両者の比較でよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. 私のCPU(Core i5など)でも、これらのグラボの性能を活かせますか?
A1. 条件によります。
フルHD解像度で高いフレームレートを目指す場合、CPU性能が低いと「CPUボトルネック」が発生し、グラボの性能を100%引き出せない可能性があります。
一方、WQHDや4Kといった高解像度でプレイする場合、負荷はグラボ側に大きくかかるため、CPUの影響は比較的小さくなります。
Core i5やRyzen 5クラスの最新世代CPUであれば、多くの場面で4070 Tiの性能を十分に活かせるでしょう。
Q2. グラボのメーカー(ASUS, MSI, GIGABYTEなど)はどこを選べばいいですか?
A2. 搭載しているGPUチップは同じなので、基本的な性能はどのメーカーも同じです。
違いは主に、冷却性能(ファンの数やヒートシンクの大きさ)、デザイン、保証期間、オーバークロックの有無などです。
冷却性能が高く、静音性に優れたモデルは価格が高くなる傾向があります。
レビューを参考に、ご自身のPCケースのサイズや予算、デザインの好みに合わせて選ぶのが良いでしょう。
Q3. 中古のRTX 3090は「買い」ですか?
A3. 価格次第では「買い」になる可能性があります。
特に、クリエイティブ用途でVRAM 24GBが必須な方にとっては、コストを抑える有効な手段です。
ただし、前の所有者がどのような使い方(特にマイニングなど)をしていたか不明な場合が多く、故障のリスクは新品より高まります。
保証期間が残っているか、信頼できる販売元から購入できるかなどを慎重に判断する必要があります。
全方位比較の末に見えた!あなたに最適なグラボはこれだ!
長い比較、お疲れ様でした。
全ての情報を統合し、最終的な結論を導き出しましょう。
もう一度、おすすめユーザー像を総まとめ
✅ RTX 4070 Ti を選ぶべき、あなたへ
あなたがPCで最高のゲーム体験を、賢く、効率的に手に入れたいゲーマーなら、迷わずRTX 4070 Tiを選ぶべきです。
RTX 3090を上回る基本ゲーム性能、低い消費電力、そして何よりDLSS 3という未来のチケットが手に入ります。
最新ゲームをWQHDや4Kで滑らかに動かし、レイトレーシングの世界に浸る。
その体験を、より低いランニングコストで実現できます。
中古のリスクを避け、新品の保証と共に長く安心して使いたいという堅実なあなたにも最適です。
✅ RTX 3090 を選ぶべき、あなたへ
あなたがグラフィックボードを「制作ツール」として使うプロのクリエイターであり、扱うデータがVRAM 12GBの壁を頻繁に超えるのであれば、RTX 3090は今なお最高の選択肢の一つです。
特に3Dレンダリングや8K動画編集、AI開発の分野では、その24GBのVRAMは作業効率を劇的に改善する生命線となります。
あるいは、あなたが「最高のロマン」を求めるPC愛好家で、中古市場で非常に魅力的な価格の3090を見つけた場合も、検討の価値はあります。
その圧倒的なメモリ帯域とVRAMは、特定の状況下で唯一無二の輝きを放ち続けるでしょう。
比較結果の要約表(詳細版)
| 比較項目 | RTX 4070 Ti | RTX 3090 | 主な理由 |
|---|---|---|---|
| ゲーム性能 (DLSSオフ) | 優勢 | 劣勢 | 新アーキテクチャと高クロックにより、ほとんどのゲームで10-15%優位。 |
| ゲーム性能 (DLSSオン) | 圧勝 | 完敗 | DLSS 3のフレーム生成により、対応ゲームでは性能が最大2倍近くになる。 |
| クリエイティブ性能 | 劣勢 | 圧勝 | VRAM 24GBが必須となるプロの現場では3090が唯一の選択肢。 |
| コストパフォーマンス | 優勢 | 劣勢 | 同程度の価格でより高いゲーム性能と新品の保証が手に入る。 |
| ワットパフォーマンス | 圧勝 | 劣勢 | TDPが65W低く、発熱とランニングコストで圧倒的に有利。 |
| 将来性 (ゲーミング) | 優勢 | 不安あり | DLSS 3への対応が、将来の重いゲームに対する強力な武器になる。 |
| 将来性 (VRAM) | 不安あり | 安心 | VRAM 24GBは、将来のVRAM要求増大に対する最高の保険。 |
最終的に、グラフィックボード選びは、あなたのPCライフそのものを映し出す鏡のようなものです。
何を最も重視し、何にワクワクするのか。
この記事が、あなたのその答えを見つけるための一助となれたなら幸いです。
最高のパーツを選び、組み立て、そして新たなデジタルの世界へ飛び込む。
PCパーツ選びのその醍醐味を、ぜひ心ゆくまで楽しんでください。
あなたのPCライフが、この一枚のグラフィックボードによって、さらに豊かで刺激的なものになることを心から願っています。
