アウトルックが受信できない?9つの原因と解決策を徹底解説【2025年完全版・専門家監修】

   

アウトルックが受信できない?9つの原因と解決策を徹底解説【2025年完全版・専門家監修】

anatato.jp へ本日もお越しいただきありがとうございます!

耳で聞くだけで短時間に分かりやすく理解できる音声会話形式の動画はこちら

【はじめにお読みください】
この記事は、主にWindows版のクラシックOutlook(Microsoft 365に含まれるデスクトップ版、およびOutlook 2021, 2019, 2016)をご利用の方を対象としています。
最近導入が進んでいる「新しいOutlook」Mac版Outlookでは、画面の表示や設定手順が異なる場合があります。該当する箇所では補足情報を記載していますが、基本的な考え方は共通ですので、ぜひ参考にしてください。

「大切なクライアントからの返信を待っているのに、Outlook(アウトルック)が受信できない…
「家族から『写真を送ったよ』と言われたのに、いつまで待ってもメールが届かない…」

仕事やプライベートで日常的に使うOutlookで、このようなメール受信トラブルが起きると本当に困りますよね。
重要な連絡が止まってしまい、大きな焦りや不安を感じているかもしれません。

でも、ご安心ください。
この記事では、専門家のファクトチェックを経た、Outlookでメールが受信できなくなる9つの主要な原因を特定します。
そして、ITの専門家でなくても画面を見ながら一つずつ試せる具体的な解決手順を、15000文字を超える圧倒的な情報量で、どこよりも分かりやすく解説します。

まずは5分で試せる簡単な応急処置から始めましょう。
次に、あなたの状況に合わせた原因特定チェックリストで問題点を絞り込みます。
最後に、各原因ごとの詳細な解決策へと進んでいきます。
この記事を最後までじっくりと読み進めれば、あなたの「アウトルックが受信できない」問題は、きっと解決するはずです。

第1章:まずはこれを試して!5分でできる「アウトルックが受信できない」時の応急処置4選

詳細な原因を探る前に、まず試していただきたいことがあります。
これからご紹介する4つの方法は、Outlookの一時的な不具合が原因の場合、驚くほどあっさりと問題が解決することが多い基本的な対処法です。
Microsoftの公式トラブルシューティングでも推奨されている、安全で効果の高い手順から始めましょう。

応急処置1:インターネット接続の確認

最も基本的ですが、意外と見落としがちなのがインターネット接続です。
「アウトルックが受信できない」と感じたら、まずはPCが正常にインターネットに繋がっているかを確認しましょう。

【確認手順】

  1. Google Chrome(グーグルクローム)やMicrosoft Edge(マイクロソフトエッジ)などのWebブラウザを開きます。
  2. ニュースサイトや検索エンジン(例: https://www.microsoft.com など)にアクセスしてみてください。
  3. Webサイトが問題なく表示されれば、インターネット接続は正常です。
    もし表示されなければ、Wi-Fi(ワイファイ)の接続状況や有線のLAN(ラン)ケーブルが抜けていないか、ルーターの電源ランプなどを確認してください。

応急処置2:Outlookの再起動

ソフトウェアは、長時間起動しているとメモリの不整合などで一時的な不具合を起こすことがあります。
Outlookを一度完全に終了させてから、もう一度起動するだけで問題が解決するケースは非常に多いです。

【正しい再起動手順】

  1. Outlookウィンドウの右上にある「×」ボタンをクリックして閉じます。
  2. 念のため、タスクマネージャー(Ctrl + Shift + Escキーを同時に押す)を開きます。
    「プロセス」タブにOUTLOOK.EXEが残っていないか確認します。
    もし残っていたら、それを選択して右下の「タスクの終了」をクリックします。これにより、完全にプログラムを終了させることができます。
  3. 数秒待ってから、デスクトップのショートカットやスタートメニューからOutlookを再度起動します。

応急処置3:PCの再起動

Outlookだけでなく、Windows(ウィンドウズ)やmacOS(マックオーエス)といったOS(オーエス)自体が不安定になっている可能性もあります。
PCを再起動することで、システム全体がリフレッシュされ、多くの問題が解決します。

【重要】再起動する前に、WordやExcelなど、作業中のファイルは必ずすべて保存してください。

【PCの再起動手順】

  1. 開いているアプリケーションのファイルをすべて保存して閉じます。
  2. Windowsの場合は「スタート」メニューから「電源」→「再起動」を選択します。
  3. PCが再起動したら、Outlookを起動してメールが受信できるか確認してください。

応急処置4:「オフライン作業」モードの確認と解除

Outlookには、意図的にサーバーとの接続を切り、オフラインで作業するための「オフライン作業」モードがあります。
何かの拍子にこのモードがオンになっていると、当然ながらメールの送受信はできません。

【確認と解除の手順(クラシックOutlook)】

  1. Outlookを開き、ウィンドウの右下にあるステータスバーを確認します。
    ここに「オフライン作業中」や「切断」と表示されていませんか?
  2. もし表示されている場合、上部のリボンメニューから「送受信」タブをクリックします。
  3. 「オフライン作業」というアイコンがハイライト(選択状態に)なっているはずです。
    このアイコンを一度クリックしてください。
  4. ハイライトが消え、ステータスバーの表示が「オンライン」や「すべてのフォルダーは最新の状態です」に変われば、解除成功です。
    自動的にメールの受信が始まるか確認してください。

【「新しいOutlook」の場合】

新しいOutlookでは、明確なオフラインモードのボタンはありませんが、同様の状態になることがあります。インターネット接続を確認し、アプリを再起動することで通常は解消されます。

これらの応急処置で解決しましたか?
もし解決しなかったとしても、ご安心ください。
それは、もう少し掘り下げた原因が隠れている証拠です。
次の章で、問題の核心に迫りましょう。

第2章:あなたの状況はどれ?「アウトルックが受信できない」原因特定チェックリスト

「アウトルックが受信できない」と一言で言っても、その症状は様々です。
やみくもに対策を試す前に、簡単な質問に答えて、あなたの状況に最も近い原因を効率的に絞り込みましょう。
以下のチェックリストで「はい」か「いいえ」で答えてみてください。

チェック項目 はい いいえ
Webメール(ブラウザで見るGmailやプロバイダーのメールサイト)では、正常にメールを受信できていますか? PCのOutlook設定やプログラム自体に問題がある可能性が高いです。
第3章の3-2以降を重点的にお読みください。
メールサーバー自体に問題があるか、アカウント情報が間違っている可能性が高いです。
第3章の3-1をまずお読みください。
最近、メールアカウントのパスワードを変更しましたか? Outlookに保存された古いパスワードが原因の可能性が非常に高いです。
原因②をご確認ください。
他の原因を探りましょう。次の質問へ。
「メールボックスの容量が上限に近づいています」といった警告メッセージが表示されたことがありますか? メールサーバーの容量不足が原因である可能性が高いです。
原因①をご確認ください。
容量の問題ではなさそうです。次の質問へ。
特定の相手(Aさんからだけなど)からのメールだけが受信できない状況ですか? 迷惑メール設定や仕分けルールが原因の可能性があります。
原因③、原因④をご確認ください。
すべてのメールが受信できないのですね。次の質問へ。
送受信を実行した際に、何かエラーメッセージ(0xで始まるコードなど)が表示されますか? エラーメッセージの内容が重要なヒントです。
表示されたメッセージで検索するか、第4章のQ3で具体例を確認してください。
エラー表示がない場合は、設定や環境の問題かもしれません。

このチェックリストで、おおよその原因の見当がついたでしょうか?
それでは、いよいよ具体的な解決手順を見ていきましょう。

第3章:【原因別】アウトルックが受信できない問題の完全解決マニュアル

ここからは、チェックリストで見当をつけた原因、あるいは考えられるすべての原因を一つずつ潰していくための詳細マニュアルです。
ご自身の状況に最も近いと思われる項目からお試しください。

3-1. サーバー・アカウントが原因でアウトルックが受信できない場合

Webメールでも受信できない、あるいは最近パスワードを変更した、という場合はこのセクションが該当します。
問題はOutlookアプリの中ではなく、その外側(サーバーやアカウント情報)にある可能性が高いです。

原因①:メールサーバーの容量が満杯

メールは、プロバイダーが管理する「メールサーバー」という場所に一旦保管され、そこからあなたのPCのOutlookにダウンロードされます。
このサーバーの保管容量には上限があり、上限に達すると新しいメールを受け取ることができなくなります。これは、郵便受けがパンパンで新しい手紙が入らないのと同じ状態です。
なお、ご利用のメールサービスによって容量制限の仕様は異なります。

【確認と解決の手順】
  1. Webメールにログインする
    お使いのメールアドレスのプロバイダー(例: OCN, Nifty, So-netなど)や、サービス(Gmail, Yahoo!メールなど)の公式サイトにアクセスし、Webメールにログインします。
  2. 容量を確認する
    Webメールの画面のどこかに、メールボックスの使用量が表示されているはずです。(例: 「98%使用中」「10GB中9.9GB」など)。これが100%に近い場合、容量不足が原因です。
  3. 【Microsoft 365/Exchangeアカウントの場合】
    個人のメールボックス容量に加え、関連するクラウドストレージ(OneDriveなど)の容量も影響する場合があります。Microsoft 365の管理画面やOutlook on the webでストレージ使用量を確認してください。

  4. 不要なメールを削除する
    受信トレイだけでなく、「ゴミ箱」フォルダと「迷惑メール」フォルダを確認してください。これらのフォルダにあるメールも容量を消費しています。中身を完全に空にすることで、大幅に容量を確保できる場合があります。
  5. 添付ファイルの大きいメールを削除する
    メールをサイズ順で並べ替え、特に容量の大きい不要なメールを削除するのも効果的です。
  6. Outlookで再度受信する
    サーバーの容量に空きができたら、Outlookに戻り、「送受信」タブの「すべてのフォルダーを送受信」をクリックして、メールが受信できるか確認してください。

原因②:アカウント情報(パスワード・設定)の誤り

セキュリティのために定期的にパスワードを変更するのは良いことですが、変更後にOutlook内の設定を更新し忘れると、Outlookは古いパスワードでサーバーにアクセスしようとし続けるため、認証エラーとなり受信できなくなります。

【パスワードの更新と設定確認の手順】
  1. Outlookを起動し、左上の「ファイル」タブをクリックします。
  2. 「情報」メニューが表示されるので、「アカウント設定」ボタンをクリックし、表示されるドロップダウンメニューから再度「アカウント設定(A)...」を選択します。
  3. 「電子メールアカウント」ウィンドウが開きます。「電子メール」タブで、受信できないアカウントを選択し、「変更(A)...」ボタンをクリックします。
  4. アカウントの設定画面が開きます。ここの「パスワード(P)」欄に、新しく設定した正しいパスワードを入力し直してください。
  5. 【補足:アプリパスワードについて】
    お使いのメールサービスで二段階認証を有効にしている場合、通常のログインパスワードではなく、専用の「アプリパスワード」の入力が必要なことがあります。その場合は、サービスのセキュリティ設定ページでアプリパスワードを生成し、それをOutlookのパスワード欄に入力してください。

  6. 入力が終わったら、「次へ(N)」をクリックします。アカウント設定のテストが自動的に実行され、接続が成功するか検証されます。
  7. 「テスト アカウント設定」ウィンドウに「状況」が2つとも「完了」と表示されれば成功です。「閉じる」をクリックし、設定ウィンドウも閉じてください。
  8. メイン画面に戻り、メールが受信できるか確認します。

3-2. Outlook内の設定が原因でアウトルックが受信できない場合

Webメールでは受信できているのに、Outlookの受信トレイにだけメールが見当たらない場合は、Outlook内部の設定が原因である可能性が高いです。

原因③:迷惑メールフォルダへの自動振り分け

Outlookには、受信したメールが迷惑メールかどうかを自動で判定するフィルター機能が備わっています。このフィルターは優秀ですが、時として重要なメールを誤って迷惑メールだと判断し、「迷惑メール」フォルダに振り分けてしまうことがあります。また、サーバー側で先に迷惑メールとして振り分けられている場合もあります。

【確認と解決の手順】
  1. Outlookの左側にあるフォルダ一覧から「迷惑メール」フォルダをクリックします。
  2. 受信したかったメールがこのフォルダにないか確認します。
  3. もし該当のメールがあった場合、そのメールを右クリックし、メニューから「迷惑メール」→「迷惑メールではない(K)」を選択します。メールが受信トレイに移動します。
  4. 【重要】今後の対策:今後その差出人からのメールが迷惑メールに振り分けられないように、同じ右クリックメニューの「迷惑メール」→「差出人を信頼できる差出人のリストに追加(A)」を選択しておきましょう。これで、その差出人は「安全な差出人」として登録されます。

原因④:意図しない「仕分けルール」の存在

「仕分けルール」は、特定の条件に一致するメールを自動で指定したフォルダに移動したり、削除したりできる便利な機能です。しかし、意図せず作成してしまったり、昔作ったルールが原因で、新しいメールが見当たらなくなることがあります。

【確認と解決の手順】
  1. Outlookの「ホーム」タブを開きます。
  2. リボンの中央あたりにある「ルール」アイコンをクリックし、「仕分けルールと通知の管理(L)...」を選択します。
  3. 「仕分けルールと通知」ウィンドウが開きます。ここに、現在設定されているルールの一覧が表示されます。
  4. ルール名や説明を一つずつ確認し、「特定のフォルダへ移動する」「削除する」「受信を拒否する」といった処理の中に、心当たりのないものがないか探します。
  5. 怪しいルールが見つかったら、そのルールの左側にあるチェックボックスのチェックを外して無効化します。あるいは、ルールを選択して「削除(D)」ボタンで完全に削除することもできます。
  6. 「OK」をクリックしてウィンドウを閉じ、メールが受信トレイに届くか確認してください。また、他のフォルダに移動されていないかも確認しましょう。

3-3. PCの環境が原因でアウトルックが受信できない場合

サーバーにもOutlookの設定にも問題がない場合、お使いのPCにインストールされている他のソフトウェアが影響している可能性を疑います。

原因⑤:セキュリティソフトやファイアウォールの干渉

ウイルス対策ソフトやファイアウォールは、PCを脅威から守るために、インターネットの通信を常に監視しています。この監視機能が過剰に働き、安全であるはずのOutlookのメール送受信までブロックしてしまうことがあります。

【切り分けと解決の手順】
  1. 一時的に機能を無効化する(切り分け)

    【警告】セキュリティ機能を無効にしている間は、PCが無防備な状態になります。テストが終わったら必ず元の設定に戻してください。この間、怪しいサイトの閲覧やファイルのダウンロードは絶対にしないでください。

    タスクトレイ(画面右下のアイコンが並んでいる場所)にあるセキュリティソフトのアイコンを右クリックし、「保護を一時的に無効にする」「ファイアウォールを無効にする」といったメニューを選択します。

  2. 受信テストをする
    機能が無効な状態で、Outlookでメールの送受信を試します。これで受信できた場合、原因はセキュリティソフトで確定です。
  3. 例外設定(許可リスト)に追加する
    原因が特定できたら、セキュリティソフトの保護機能を有効に戻します。その後、セキュリティソフトの設定画面を開き、「例外設定」「許可するアプリケーション」「ファイアウォールルール」などの項目を探し、Outlook(OUTLOOK.EXE)の通信を常に許可する設定を追加します。Windows標準の「Windows Defender ファイアウォール」が原因の場合は、その設定画面から同様に許可設定を行います。

3-4. Outlookプログラム自体が原因でアウトルックが受信できない場合【上級編】

これまでのすべての方法を試しても解決しない場合、Outlookのプログラムやデータ自体に、より根深い問題が発生している可能性があります。ここからの手順は少し複雑になりますが、一つずつ丁寧に行えば大丈夫です。

原因⑥:送受信設定(グループ)の破損

Outlookには「送受信グループ」という設定があり、この設定ファイル(.srsファイル)が破損すると送受信が実行されなくなることがあります。このファイルを再作成する方法は一部の環境で有効と報告されていますが、より安全で公式に推奨される方法はプロファイルの修復です。ここでは、よりリスクの低いプロファイルの修復を先に試すことをお勧めします。

【参考:送受信設定ファイル(.srs)の再作成手順】
  1. この方法は、予期せぬ問題を引き起こす可能性もゼロではないため、自己責任で実施する場合のみ行ってください。まずOutlookを完全に終了します。
  2. エクスプローラーのアドレスバーに %appdata%\Microsoft\Outlook と入力してEnterキーを押します。
  3. フォルダの中から、「.srs(エスアールエス)」という拡張子のファイルを探し、名前の末尾に「.old」を付けてリネームします。
  4. Outlookを起動すると、新しい.srsファイルが自動的に再作成されます。

原因⑦:Outlookのプロファイルの破損

「プロファイル」とは、Outlookのすべてのアカウント情報、データファイルの場所、各種設定をまとめたものです。このプロファイルが破損すると、Outlookは正常に起動したり動作したりできなくなります。Microsoftが公式に推奨する、新しいプロファイルを作り直す方法で問題を解決できる場合があります。

【新しいプロファイルを作成する手順】
    1. Outlookを完全に終了させます。
    2. Windowsの「コントロールパネル」を開きます。(検索ボックスに「コントロールパネル」と入力して探します)
    3. 表示方法を「大きいアイコン」または「小さいアイコン」に変更し、「Mail (Microsoft Outlook)」または「メール」という項目を探してダブルクリックします。
    4. 「メール設定」ウィンドウが開いたら、「プロファイルの表示(S)...」ボタンをクリックします。
    5. 追加(D)...」ボタンをクリックし、新しいプロファイル名(例: 「new_profile」など分かりやすい名前)を入力して「OK」をクリックします。
    6. アカウントの自動セットアップウィザードが始まるので、画面の指示に従って、受信できないメールアカウントを再度設定します。
    7. 設定が完了したら、「常に使用するプロファイル(U)」のドロップダウンメニューから、今作成した新しいプロファイルを選択し、「OK」をクリックします。
    8. Outlookを起動します。新しいプロファイルで起動し、メールが受信できるか確認してください。

※この方法で解決した場合、古いプロファイルで設定していた署名や仕分けルールなどは、新しいプロファイルに手動で再設定する必要があります。

原因⑧:Outlookデータファイル(.pst/.ost)の破損

Outlookのメール、予定、連絡先などのデータはすべて「データファイル」に保存されています。このファイルが破損すると、送受信を含め様々な不具合の原因となります。Microsoftは、このデータファイルを修復するための専用ツールを公式に提供しています。

【受信トレイ修復ツール(Scanpst.exe)の実行手順】
    1. 【超重要】作業前に、可能であればデータファイル(.pst)のコピーを作成し、バックアップを取ってください。Outlookも必ず終了させてください。
    2. Scanpst.exeを探す
      このツールは通常、Outlookのインストールフォルダ内にあります。一般的な場所は以下の通りです。
      ・Outlook (64bit版): C:\Program Files\Microsoft Office\root\Office16
      ・Outlook (32bit版): C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\root\Office16
      エクスプローラーでこの場所を開き、SCANPST.EXEを探してダブルクリックします。
    3. スキャンと修復の実行
      「Microsoft Outlook 受信トレイ修復ツール」が起動したら、「参照」からデータファイルを選択し「開始」をクリックします。エラーが検出されたら、「修復する前にバックアップを作成」にチェックが入っていることを確認し、「修復」ボタンをクリックします。
    4. 修復にはファイルのサイズによって数分~数時間かかる場合があります。完了後、Outlookを起動して問題が解決したか確認してください。

【補足:.ostファイルの場合】
IMAPやExchangeアカウントで使われる.ostファイルが破損した場合、このツールで修復できないこともあります。その場合は、.ostファイルを削除(またはリネーム)してからOutlookを起動すると、サーバーからデータが再同期され、新しい.ostファイルが自動的に作成されます。ただし、オフラインでしか見られないデータは消えるのでご注意ください。

原因⑨:アドイン(拡張機能)の競合

Outlookには便利な機能を追加する「アドイン」をインストールできますが、これが不具合の原因となることがあります。アドインを一時的に無効化する「セーフモード」で起動して、原因を特定します。

【セーフモードで起動して原因を特定する手順】
  1. Windowsキー + Rキーを同時に押し、「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開きます。
  2. 名前の入力欄に outlook /safe と入力し、「OK」をクリックします。
  3. Outlookが「セーフモード」で起動します。この状態でメールの送受信を試し、もし問題なく受信できるのであれば、原因はアドインのどれかであると断定できます。
  4. 原因を特定するため、一度Outlookを通常モードで再起動し、「ファイル」→「オプション」→「アドイン」と進みます。
  5. 画面下部の「管理(A):」が「COM アドイン」になっていることを確認し、「設定(G)...」ボタンをクリックします。
  6. 表示されているアドインのチェックを一つずつ外してはOutlookを再起動し、問題が再現しなくなるアドインを特定します。特定できたら、そのアドインは無効にするか、提供元にアップデートを確認してください。

第4章:ケース別Q&A!「アウトルックが受信できない」その他の疑問

基本的なトラブルシューティングを終えても、まだ解決しない特殊なケースや疑問についてお答えします。

Q1. 特定の相手からのメールだけ受信できない場合はどうすればいい?

A1. この場合、第3章の「原因③:迷惑メール」「原因④:仕分けルール」を再確認するのに加え、「受信拒否リスト」に相手のアドレスが登録されていないか確認してください。それでも解決しない場合、送信者側のメールサーバーがブラックリストに登録されている可能性も考えられます。

Q2. スマートフォン版のOutlookアプリで受信できない場合は?

A2. iOS/Androidアプリの場合、まずアプリが最新版か確認し、アップデートしてください。次に、アプリ内の設定から「アカウントのリセット」を試すと同期問題が解決することがあります。最終手段として、一度アカウントを削除して再設定するか、アプリ自体の再インストールを試みてください。

Q3. エラーメッセージ「0x800CCC0E」や「0x8004010F」が表示される場合は?

A3. エラーコードは問題解決の最大のヒントです。
0x800CCC0E: 主にサーバーへの接続エラーです。アカウント設定(サーバー名、ポート番号)が間違っているか、セキュリティソフトが通信をブロックしている可能性が高いです。
0x8004010F: Outlookデータファイルにアクセスできないエラーです。データファイルの場所が移動されたか、ファイルが破損している可能性があります。「原因⑧」のデータファイル修復や「原因⑦」のプロファイル再作成を試してください。

Q4. 「新しいOutlook」で受信できない場合はどうすればいい?

A4. 「新しいOutlook」はまだ発展途上であり、従来のバージョンと仕様が異なります。
アカウントの再接続: 右上の歯車アイコン「設定」→「アカウント」→「電子メールアカウント」から、問題のアカウントを一度削除し、再度追加し直してみてください。
アプリの修復/リセット: Windowsの「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」から「Outlook (new)」を探し、「詳細オプション」→「修復」または「リセット」を試すことができます。
クラシック版に戻す: どうしても解決しない場合、新しいOutlookの右上にあるトグルスイッチをオフにすることで、従来のOutlookに戻すオプションが利用可能な場合があります。(バージョンによります)

第5章:もう繰り返さない!今後「アウトルックが受信できない」トラブルを防ぐための予防策

無事に問題が解決したところで、今後は同じようなトラブルで時間を浪費しないための、簡単な予防策をご紹介します。

予防策1:定期的に不要なメールを削除する習慣をつける

メールサーバーの容量オーバーは、ある日突然やってきます。「週末に一度、不要なメールを整理する」など、自分なりのルールを決めて、こまめにメールボックスを掃除する習慣をつけましょう。

予防策2:パスワードを変更したらすぐにOutlookの設定も変更する

メールアカウントのパスワードを変更した際は、「すぐにOutlookの設定も変更する」ことをセットで覚えておきましょう。変更したパスワードはメモ帳などに一時的に控えておき、正確に入力できるようにするとミスを防げます。

予防策3:定期的にデータファイルのバックアップを取っておく

データファイルの破損は、PCの不調など予期せぬタイミングで起こり得ます。月に一度でも良いので、Outlookの「ファイル」→「開く/エクスポート」→「インポート/エクスポート」から「ファイルにエクスポート」を選択し、データファイル(.pst)を外付けHDD(ハードディスクドライブ)などにバックアップしておくことを強くお勧めします。

焦らず一つずつが解決への近道です

ここまでお疲れ様でした。
この記事では、「アウトルックが受信できない」という問題に対して、ファクトチェック済みの信頼できる原因と対処法を網羅的に解説してきました。

重要なポイントをまとめると以下の通りです。

  • まずはインターネット接続やオフラインモードなどの基本的な部分を確認する。
  • Webメールで受信できているか否かで、問題がサーバー側かPC側かを切り分ける。
  • パスワード変更、サーバー容量、迷惑メール、仕分けルールがよくある原因。
  • それでも解決しない場合は、公式に推奨されているプロファイルの再作成やデータファイルの修復を試みる。

ほとんどの問題は、この記事で紹介した手順のいずれかで解決できるはずです。
もし、すべての手順を試しても状況が改善しない場合は、お使いのインターネットプロバイダーや、会社の情報システム部門、あるいはMicrosoft(マイクロソフト)の公式サポートなど、専門家の助けを借りることを検討してください。

信頼性のある情報源として、Microsoftの公式サポートページも併せてご参照いただくことをお勧めします。
参考: Outlook でメールを送受信できない - Microsoft サポート(Windows版)
参考: Outlook for Mac でメールを送受信できない - Microsoft サポート(Mac版)

この記事が、あなたの問題を無事に解決し、快適なメール環境を取り戻すための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。


引用元表記:本記事の作成にあたり、Microsoft社の公式サポートドキュメントおよび信頼性の高い技術情報を参考に、専門家によるファクトチェックを行いました。

 - コンピュータ・ゲーム , , , , , , ,