HSKと中国語検定(中検/TECC)|あなたに最適な試験は?レベル・目的別に徹底解説【2025年最新比較】
2025/05/12
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中国語の学習を進める中で、「自分の実力はどのくらいだろう?」「目標達成のために、何か資格を取りたい」と考える方は多いのではないでしょうか。
中国語の能力を証明する試験には様々な種類がありますが、特に有名なのがHSK(漢語水平考試)と中国語検定(中検)です。
また、近年ではコミュニケーション能力に特化したTECC(中国語コミュニケーション能力検定)も注目されています。
しかし、「HSKと中国語検定、どっちを受ければいいの?」「TECCってどんな試験?」「それぞれのレベルや難易度はどう違うの?」といった疑問を持つ方も少なくありません。
検定試験は、受験料も時間もかかるため、自分に合わないものを選んでしまうのは避けたいですよね。
この記事では、主要な中国語検定であるHSK、中国語検定(中検)、TECCを中心に、それぞれの特徴、レベル、メリット・デメリットを徹底的に比較・解説します。
この記事を読めば、あなたの学習目的や目標レベルに最適な中国語検定がどれなのか、自信を持って判断できるようになります。
さあ、あなたにぴったりの中国語検定を見つけて、学習の次のステップへ進みましょう!
中国語検定試験とは?なぜHSKや他の検定を受けるの?
中国語検定試験は、あなたの中国語能力を客観的に証明するための大切なツールです。履歴書に書ける資格として就職や転職活動で有利になることはもちろん、中国への留学や駐在、さらには大学の単位認定など、様々な場面でその能力をアピールできます。
また、具体的な級やスコアを目標に設定することで、日々の学習モチベーションを維持しやすくなるというメリットもあります。「次はHSK4級を目指そう!」「中検3級に合格するぞ!」といった目標があれば、学習計画も立てやすくなり、着実にステップアップしていくことができるでしょう。
現在、日本国内や世界では、様々な団体が中国語検定試験を実施しています。それぞれに特徴や目的が異なるため、自分の状況に合わせて最適な試験を選ぶことが重要です。この記事では、特に知名度や受験者数の多いHSK、中国語検定(中検)、TECCについて詳しく比較していきます。
主要な中国語検定試験の概要と比較:HSK、中国語検定(中検)、TECC
それでは、HSK、中国語検定(中検)、TECCのそれぞれの特徴を見ていきましょう。
HSK(漢語水平考試)とは? 国際標準の中国語検定
HSK(漢語水平考試)は、中国政府教育部が認定する、世界で最も広く実施されている国際的な中国語能力認定試験です。中国語を母語としない学習者を対象としており、その成績は中国国内の大学への留学や、中国企業への就職、グローバル企業でのキャリアアップなどに広く活用されています。
- 主催団体:中国教育部 中外語言交流合作中心(旧:国家漢弁/孔子学院総部)
- 目的:中国への留学、中国企業やグローバル企業への就職・昇進など
- レベル:筆記試験(1級~6級)、口頭試験(HSKK初級・中級・高級)※2025年現在、7級~9級の導入も進められています。
- 試験形式:リスニング、読解、作文(3級以上)。級が上がるごとに求められる語彙数や能力が高くなります。
- メリット:
- 世界的な認知度と通用性が非常に高い。
- 中国の大学留学や奨学金申請の要件となることが多い。
- 中国系企業やグローバル企業への就職・転職に有利。
- コミュニケーション能力重視(特にリスニングと読解)。
- デメリット:
- 試験は基本的に簡体字のみ。
- 問題文や指示も全て中国語。
- 翻訳能力は直接問われない。
- 「HSKの級は高いけれど、会話は苦手」というケースも聞かれる。
- 最新情報:HSK日本実施委員会公式サイトによると、2025年7月試験以降、成績証明書の電子化が強化される予定です。また、7級~9級の試験も段階的に導入されています。
HSKは、特に中国との関わり(留学、就職など)を考えている方にとって、取得する価値が非常に高い資格と言えるでしょう。
中国語検定試験(中検)とは? 日本国内での信頼性が高い検定
中国語検定試験(通称:中検)は、日本中国語検定協会が主催する、主に日本語を母語とする学習者を対象とした検定試験です。日本国内での歴史が長く、大学の単位認定や企業の採用基準、官公庁での語学力評価など、日本社会において広く認知・活用されています。
- 主催団体:一般財団法人 日本中国語検定協会
- 目的:日本語話者の総合的な中国語能力(読む・書く・聞く・話す・訳す)の測定、日本国内での進学・就職など
- レベル:準4級、4級、3級、2級、準1級、1級(数字が小さいほど難易度が高い)
- 試験形式:リスニング、筆記(文法、語彙、読解、作文、日中・中日翻訳)。級が上がるごとに難易度が上がり、準1級・1級では二次試験(面接形式のスピーキング)もあります。
- メリット:
- 日本国内での認知度が非常に高く、信頼性がある。
- 日本語話者の学習特性に合わせて設計されている。
- 日中・中日翻訳能力が問われるため、翻訳家や通訳を目指す人にも有用。
- 日本の大学や企業での評価が高い。
- デメリット:
- 国際的な認知度はHSKに比べて低い。
- HSKに比べ、文法や翻訳など、より知識偏重な側面があるとも言われる。
- 公式サイト:日本中国語検定協会公式サイト
中検は、日本国内での進学や就職活動において中国語能力をアピールしたい方や、翻訳・通訳を含む総合的な中国語運用能力を測りたい方におすすめの検定です。
TECC(中国語コミュニケーション能力検定)とは? 実践的な能力を測る検定
TECC(Test of Communicative Chinese)は、中国語による実践的なコミュニケーション能力の測定に特化した検定試験です。日常生活やビジネスシーンで実際に使われる中国語の運用能力を、1000点満点のスコアで評価します。合否ではなくスコアで示されるため、学習の進捗度を測る指標としても活用しやすいのが特徴です。
- 主催団体:一般財団法人 中国ビジネス交流協会が設立に関与(現在は株式会社空間概念研究所が運営主体の一部を担っている模様)
- 目的:ビジネスや実社会における実践的な中国語コミュニケーション能力の測定
- レベル:スコア式(1000点満点)。レベル分けはなく、獲得スコアで能力を評価。
- 試験形式:リスニング、リーディング(マークシート方式、またはオンラインIBT形式)。
- メリット:
- コミュニケーション能力に特化しており、ビジネスシーンでの実用性を測りやすい。
- スコア式のため、実力アップが具体的に分かり、学習のモチベーションにつながりやすい。
- 合否がないため、気軽に挑戦しやすい。
- オンラインでの受験(TECC-iBT)も可能になっている。
- デメリット:
- HSKや中検に比べると歴史が浅く、一般的な認知度はまだ低い可能性がある。
- 作文(ライティング)やスピーキング能力は直接測定されない。
- 公式サイト:TECC公式サイト
TECCは、特にビジネスシーンで使える実践的な中国語コミュニケーション能力を伸ばしたい、あるいは証明したいと考えている方にとって有効な選択肢となるでしょう。
HSKと他の中国語検定(中検/TECC)徹底比較!あなたに合うのは?
HSK、中検、TECC、それぞれの特徴が分かったところで、さらに詳しく比較してみましょう。どの検定が自分に合っているか、見極めるためのポイントを解説します。
比較表:HSK vs 中検 vs TECC
比較項目 | HSK(漢語水平考試) | 中国語検定(中検) | TECC(中国語コミュニケーション能力検定) |
---|---|---|---|
主な目的 | 中国留学・就職、国際的な能力証明 | 日本国内での進学・就職、総合的能力測定(翻訳含む) | ビジネス・実用コミュニケーション能力測定 |
認知度 | 国際的に非常に高い | 日本国内で非常に高い | ビジネス界を中心に向上中 |
レベル設定 | 1級~6級(+口試)、7-9級導入中 | 準4級~1級 | スコア式(1000点満点) |
試験形式 | リスニング、読解、作文(3級以上) | リスニング、筆記(文法、読解、作文、翻訳)、面接(準1・1級) | リスニング、読解(マークシート/IBT) |
使用文字 | 簡体字 | 簡体字(繁体字選択も一部可) | 簡体字 |
重視される能力 | 実践的なコミュニケーション能力(聞く・読む中心) | 総合的な言語能力(読む・書く・聞く・訳す) | 実践的なコミュニケーション能力(聞く・読む) |
難易度感(一般論) | 級によるが、コミュニケーション寄り | 知識・正確性重視、翻訳が特徴的 | ビジネス・実用シーン寄り |
受験料(目安・2025年時点) | 3,000円台~10,000円程度(級による) | 3,000円台~10,000円程度(級による) | 7,000円台程度(IBT含む) |
実施頻度(目安) | ほぼ毎月(会場による) | 年3回(6月、11月、3月)※1級は年1回 | 年2回程度(IBTは変動可能性あり) |
※受験料や実施頻度は変更される可能性があるため、必ず各公式サイトで最新情報をご確認ください。
【目的別】あなたに合う中国語検定はこれ!HSK・中検・TECCの選び方
どの検定試験を選ぶべきか、あなたの目的別に考えてみましょう。
- 中国本土への留学や就職を目指すなら → HSK
国際的な通用性が最も高く、多くの中国の大学や企業で要求されるため、HSKの取得は必須に近いと言えます。特に本科留学を目指す場合は、HSK4級~5級以上が求められることが多いです。 - 日本国内での進学・就職、総合的な学習成果を確認したいなら → 中国語検定(中検)
日本の大学の単位認定や、日系企業への就職活動でアピールしたい場合に有利です。翻訳能力も問われるため、日本語と中国語の相互運用能力を高めたい方にも適しています。 - ビジネスでの実践的な中国語コミュニケーション能力を示したい、学習の進捗を確認したいなら → TECC
ビジネスシーンで即戦力となるコミュニケーション能力を測定・証明したい場合に有効です。スコア式なので、定期的に受験して自分のレベルアップを確認するのにも役立ちます。 - 台湾への留学や就職を考えているなら → TOCFL(華語文能力測験)
HSKが中国大陸の標準語(普通話)と簡体字が中心なのに対し、TOCFLは台湾で使われる中国語(華語)と繁体字が中心となります。台湾での活動を視野に入れる場合は、TOCFLの受験を検討しましょう。
【レベル別】HSKと他検定の難易度比較目安
異なる検定試験のレベルを正確に対応させることは難しいですが、一般的な目安として参考にしてください。(あくまで参考情報であり、試験の性質が異なるため完全な一致ではありません)
- 入門~初級:
- HSK 1級・2級 ≒ 中検 準4級・4級
- このレベルでは、基本的な挨拶や自己紹介、簡単な日常会話ができる程度を目指します。まずは中国語に慣れる段階です。
- 初級~中級:
- HSK 3級・4級 ≒ 中検 3級 ≒ TECC 400~600点程度
- 基本的な文法を理解し、日常生活や旅行などで困らない程度のコミュニケーションが取れるレベルです。履歴書にも書けるレベルと言えるでしょう。
- 中級~上級:
- HSK 5級・6級 ≒ 中検 2級・準1級 ≒ TECC 600~800点程度
- 複雑な文章を理解し、ビジネスシーンでもある程度の対応が可能になるレベルです。中国の大学への留学や、中国語を使う仕事を目指すなら、このレベル以上が目標となります。
- 上級:
- HSK 6級(高得点) ≒ 中検 1級 ≒ TECC 800点以上
- ネイティブに近いレベルで、専門的な内容についても議論でき、翻訳や通訳としても活躍できるレベルです。中検1級は特に難関とされています。
どの検定から始めるか迷う場合は、まずはHSK3級または中検4級あたりを目標に設定し、学習を進めていくのが一般的におすすめです。
中国語検定合格に向けた学習のヒント:HSK・中検・TECC共通
どの検定試験を目指すにしても、合格(または目標スコア達成)のためには効果的な学習が必要です。ここでは、共通して役立つ学習のヒントをいくつかご紹介します。
- 過去問・公式問題集を徹底活用する: 各試験には出題傾向があります。過去問や公式問題集を解くことで、問題形式に慣れ、自分の弱点を知ることができます。時間を計って本番同様に解く練習も重要です。
- 語彙力を強化する: どの検定でも語彙力は基礎となります。目標レベルに合わせて単語帳やアプリを活用し、毎日コツコツと覚えましょう。例文と一緒に覚えると、実際の使い方を理解しやすくなります。
- 文法の基礎を固める: 特に中検では文法知識が重視されます。基本的な文型や語順、助詞の使い方などを参考書でしっかり理解し、練習問題で定着させましょう。
- リスニング力を鍛える: リスニングは一朝一夕には伸びません。毎日少しずつでも中国語を聞く習慣をつけましょう。検定対策教材の音声はもちろん、ニュース、ドラマ、音楽など、興味のある素材を活用するのも効果的です。シャドーイング(聞いた音声を真似て発音する練習)もおすすめです。
- 読解力を向上させる: 様々なレベルの中国語文章を読む練習をしましょう。最初は簡単なテキストから始め、徐々にレベルアップしていきます。わからない単語や表現は調べ、内容を正確に理解する練習が大切です。
- 作文・翻訳・スピーキング対策(必要な場合): HSK(3級以上)や中検では作文や翻訳、中検準1級・1級やHSKKではスピーキング能力も問われます。日頃から中国語で簡単な日記を書いたり、学んだ文法を使って文章を作成したりする練習を取り入れましょう。スピーキングは、オンラインレッスンなどを活用して実際に話す機会を作るのが効果的です。
- バランス良く学習する: 特定の分野に偏らず、「聞く・話す・読む・書く(訳す)」の4技能(+翻訳)をバランス良く伸ばすことを意識しましょう。
- 学習仲間を見つける・スクールを活用する: モチベーション維持のためには、一緒に頑張る仲間がいると心強いです。SNSや学習会で仲間を見つけたり、中国語教室やオンラインレッスンを利用して先生からフィードバックをもらったりするのも良いでしょう。
まとめ:HSK?中検?TECC?最適な中国語検定を選んで目標達成へ!
今回は、HSK、中国語検定(中検)、TECCという3つの主要な中国語検定試験について、その特徴や違い、選び方を比較・解説しました。
HSKは国際的な認知度が高く、中国への留学やグローバルなキャリアを目指す方に最適です。
中国語検定(中検)は日本国内での信頼性が厚く、総合的な中国語能力、特に翻訳力も測りたい方に向いています。
TECCはビジネスなど実践的なコミュニケーション能力に特化しており、実力測定やスキルアップの指標として活用できます。
どの試験が「良い」「悪い」ということではありません。大切なのは、あなたの中国語学習の目的や目標、そして将来のプランに最も合った検定試験を選ぶことです。
この記事を参考に、ぜひご自身にぴったりの検定を見つけてください。そして、目標とする級やスコアを設定し、日々の学習計画に落とし込んでいきましょう。どの検定を選ぶにしても、合格や目標スコア達成への道は、日々の地道な努力の積み重ねです。
さあ、今日から新たな目標に向かって、中国語学習の一歩を踏み出しましょう!各検定の公式サイトで詳細情報を確認したり、書店で問題集を手に取ってみたりすることから始めてみてはいかがでしょうか。