安青錦の綱とり条件を完全解説!大阪場所での昇進ラインとウクライナからの軌跡【2026最新】
2026/01/30
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2026年1月25日、東京・両国国技館。
冷たい冬の空気が張り詰める中、大相撲初場所は歴史的なフィナーレを迎えようとしていました。
午後5時過ぎ、満員御礼の垂れ幕が下がる館内は、異様な熱気と、これから始まる「決定的な瞬間」を待つ静寂が交互に押し寄せていました。
土俵に上がったのは、新大関の安青錦(あおにしき)と、平幕の熱海富士。
12勝3敗で並んだ両者による、優勝決定戦です。
軍配が返り、激しい攻防の末、安青錦が鮮やかな「首投げ」を決めると、国技館は割れんばかりの歓声に包まれました。
新大関としての優勝。そして、先場所からの連覇。
テレビの前で固唾を飲んで見守っていた視聴者は関東地区だけで平均20.1%に達し、優勝が決まった瞬間の視聴率は24.6%を記録しました。
これは単なるスポーツの一場面ではなく、日本中が注目した社会現象でした。
一夜明け、興奮冷めやらぬメディアやファンの間で、一つの問いかけが熱を帯びて語られ始めました。
「安青錦は、次の大阪場所で横綱になれるのか?」
いわゆる「綱とり」です。
しかし、相撲界の最高位である横綱への道は、決して平坦ではありません。
「強ければなれる」という単純なものではなく、そこには厳格なルールと、過去の歴史が作り上げた高い壁が存在します。
特に今回の安青錦には、「12勝3敗」という成績が、次場所の評価にどう影響するのかという懸念材料もあります。
本記事では、2026年3月の春場所(大阪)を控えた今、安青錦の「綱とり条件」について、最新の信頼できるデータと過去の膨大な事例に基づき、徹底的に解説します。
ウクライナから戦禍を逃れてやってきた若きサムライが、なぜこれほどまでに日本人の心を掴むのか。
その背景にあるドラマと共に、来るべき春場所の展望を紐解いていきましょう。
目次:この記事でわかること
- 横綱昇進の絶対条件「2場所連続優勝」と内規の正確な定義
- 「12勝」からの綱とりはなぜ茨の道なのか?過去データによる検証
- 双葉山以来約90年ぶり!安青錦が更新した伝説的な記録の数々
- ウクライナからの避難、そして師匠・安治川親方との絆の物語
- 3月の大阪場所が安青錦にとって完全な「ホーム」となる理由
1. 安青錦の「綱とり」条件とは?横綱昇進の絶対ルールを完全解説
まず、大前提となる知識を整理しましょう。横綱になるためには、具体的に何をクリアしなければならないのでしょうか。これはファンの期待やメディアの憶測ではなく、日本相撲協会の諮問機関である「横綱審議委員会(横審)」が定めた内規によって決まっています。
横綱審議委員会の内規:「2場所連続優勝」の原則
横審の内規には、昇進の基準について明確にこう記されています。
「大関の地位で2場所連続優勝した力士を横綱に推薦する」
これが「原則」であり、最も確実なルートです。安青錦の場合、状況を整理すると以下のようになります。
- 2026年1月場所(初場所):
新大関として出場し、12勝3敗で優勝を果たしました。これは「大関の地位での優勝」としてカウントされます。 - 2026年3月場所(春場所):
ここで再び「大関として優勝」することが求められます。
もし、3月の大阪場所で安青錦が優勝すれば、文句なしの「2場所連続優勝」となります。横審の内規を完全に満たすため、横綱への昇進の可能性は極めて高く、ほぼ確実と言ってよいでしょう。これには議論の余地がほとんどありません。
解釈が分かれる「準ずる成績」という特例
しかし、勝負の世界に絶対はありません。もし優勝できなかった場合はどうなるのでしょうか? 横審の内規には続きがあります。
「または、それに準ずる成績を挙げた力士」
この「準ずる成績」という一文が、毎回の綱とり場所で激しい議論を巻き起こす要因となります。具体的に何勝すれば「準ずる」と認められるのか、明確な数値基準はありませんが、過去の事例から以下のパターンが該当すると考えられています。
パターンA:優勝同点(決定戦での惜敗)
千秋楽まで優勝を争い、優勝決定戦に進出したものの、惜しくも敗れた場合です。例えば「14勝1敗同士の決定戦で負けた」といったケースです。これは実質的に優勝に等しいと見なされ、昇進が認められる可能性が高くなります。
パターンB:ハイレベルな準優勝
優勝力士が全勝(15勝0敗)し、自身は14勝1敗で次点だった場合などです。優勝は逃したものの、14勝という数字は横綱にふさわしい安定感と強さを示していると判断されることがあります。
今回の安青錦に立ちはだかる「12勝の壁」
ここで、今回の安青錦のケースを冷静に、そして厳しく分析する必要があります。彼が初場所で挙げた成績は「12勝3敗」でした。
優勝は素晴らしい成果ですが、「12勝」という数字自体は、横綱昇進の起点としては決して高いものではありません。過去の事例を見ても、直前の場所が12勝(またはそれ以下)での優勝だった場合、翌場所(綱とり場所)では、通常よりも厳しい成績が求められる傾向があります。
具体的には、「合わせ技」での評価が厳しくなります。「先場所12勝だったから、今場所は13勝でも合計25勝でギリギリ合格…」というような甘い判断は期待できません。横綱は一度昇進すれば降格がない地位であり、その品格と力量は絶対的でなければならないからです。
したがって、次場所の安青錦には、「質の高い優勝(14勝や全勝)」、あるいは「優勝に準ずるとしても、圧倒的な成績(14勝でのV逸など)」が必須条件となると予想されます。
2. 2026年春場所(大阪)での昇進シミュレーション:勝敗ラインの境界線
では、3月の大阪場所で安青錦がどのような成績を残せばよいのか、具体的な勝敗数ごとに昇進の可能性をシミュレーションしてみましょう。これは過去のデータと横審の傾向に基づいた現実的な予測です。
| 成績 | 昇進確率 (推定) |
解説・予想される判定 |
|---|---|---|
| 全勝優勝 (15-0) |
極めて高い (ほぼ100%) |
文句なしの昇進です。12勝からのスタートという懸念を完全に払拭する完璧な結果であり、満場一致で推挙されるでしょう。 |
| 14勝1敗 (優勝) |
極めて高い (ほぼ100%) |
これも確実と言えます。2場所連続優勝という事実に加え、勝ち星を伸ばしている(12勝→14勝)成長力も評価されます。 |
| 13勝2敗 (優勝) |
高い (濃厚) |
「連続優勝」の事実は重いため昇進は濃厚ですが、合計25勝となるため、一部の委員から「もう少し高い数字が欲しかった」との声が出る可能性はゼロではありません。しかし、内規は満たしています。 |
| 14勝1敗 (準優勝) |
あり得る (高め) |
いわゆる「準ずる成績」として認められる可能性が高いラインです。特に優勝決定戦での惜敗であれば、優勝と同等の評価を得られるでしょう。 |
| 13勝2敗 (準優勝) |
厳しい (20%以下) |
非常に厳しい状況です。直近が12勝優勝だったため、「合わせ技」で見送られる可能性が高いです。「もう一場所見る」という判断が下される公算が大です。 |
| 12勝以下 | なし (0%) |
綱とりは白紙に戻ります。再び大関として高い成績を残し、「綱とりの起点」を作り直すことになります。 |
スポーツニュースなどでは「優勝すれば横綱」と簡単に報じられることがありますが、実際には優勝の内容(勝ち星の数)が極めて重要です。「12勝で連続優勝」というケース(2場所合計24勝)で昇進できるかどうかは、横審でも意見が割れる歴史的な特異点となる可能性があります。安青錦には、数字以上の「圧倒的な強さ」を見せつけることが求められています。
3. 安青錦が達成した「歴史的快挙」の真実:数字で見る凄み
安青錦が2026年1月場所で成し遂げたことは、単なる「初優勝」ではありません。相撲史のページをめくっても、滅多にお目にかかれない複数の大記録を同時に更新しています。これらの記録を知ることで、彼がいかに規格外の存在であるかが分かります。
① 白鵬以来、20年ぶりの「新大関優勝」
新大関(大関に昇進した最初の場所)で優勝するのは、至難の業と言われています。大関昇進に伴う伝達式、祝賀会、メディア対応など、土俵外での多忙さが極まり、稽古不足や精神的な疲労が重なるからです。
しかし、安青錦はこれを跳ね除けました。新大関での優勝は、2006年夏場所の白鵬関以来、実に20年ぶりの快挙です。史上を見ても9人しか達成していないこの記録は、彼が歴代の大横綱たちと肩を並べる強靭なメンタリティを持っていることの証明です。
② 双葉山以来! 約90年ぶりの「新関脇・新大関連続V」
さらに驚くべきデータがあります。安青錦は先場所(2025年11月九州場所)において、「新関脇」として優勝しています。そして今場所、「新大関」として優勝しました。
「新関脇の場所」と「新大関の場所」で連続優勝を果たしたのは、あの「昭和の角聖」と称される双葉山(ふたばやま)が1936年夏場所・1937年春場所で達成して以来、史上2人目の記録です。実に約90年ぶり(89年ぶり)の出来事であり、年6場所制・15日制が定着してからは初の快挙です。現代相撲においてはこの記録更新は不可能とさえ言われていましたが、安青錦がその扉をこじ開けました。
③ 歴代1位の連続三賞受賞記録
新入幕(幕内に初めて上がった場所)から先場所まで、安青錦は5場所連続で三賞(殊勲賞・敢闘賞・技能賞のいずれか)を受賞し続けました。これも歴代1位の記録です。今場所は大関になったため三賞の対象外となりましたが、もし大関でも受賞可能なら、間違いなく選ばれていたでしょう。
4. ウクライナから日本の頂点へ:安青錦の軌跡とプロフィール
安青錦の強さを語る上で、彼のバックグラウンドを避けて通ることはできません。彼の土俵人生は、世界情勢という大きな波に翻弄されながらも、自らの意志で道を切り拓いてきた物語そのものです。ここで改めて、彼のプロフィールと軌跡を正確に振り返ります。
| 四股名 | 安青錦 新大(あおにしき あらた) |
|---|---|
| 本名 | ダニーロ・ヤブグシシン (Danylo Yavhusishyn) |
| 生年月日 | 2004年(平成16年)3月23日(21歳・2026年1月現在) |
| 出身地 | ウクライナ・ヴィーンヌィツャ (Vinnytsia) |
| 所属部屋 | 安治川部屋(師匠:元関脇・安美錦) |
| 身体測定値 | 身長182.0cm / 体重140.0kg |
戦禍を逃れ、相撲への情熱を守るための「決断」
安青錦(当時のダニーロ青年)は、ウクライナで7歳から相撲を、8歳からレスリングを始め、世界ジュニア選手権で実績を残すほどのアスリートでした。しかし、2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻が始まります。この出来事が彼の運命を大きく変えました。
国内での競技継続が困難になる中、彼が選んだのは「日本への避難と移住」、そして「大相撲への挑戦」でした。2022年4月、彼は戦火を逃れるようにして来日しました。これは単なるスポーツ留学とは意味合いが異なります。故郷の平和を願いながら、異国の地で生きる術として、そして自らの情熱を守るために相撲を選んだのです。
優勝インタビューで彼が語った「20年ぶりに(新大関優勝が)できたことは誇りに思う」、「皆さんの応援のおかげで優勝できてよかった」 という言葉。そこには、支えてくれた日本の人々への深い感謝と、遠い故郷への想いが込められていたのかもしれません。
師匠・安治川親方との「守破離」
彼が入門したのは、元関脇・安美錦が率いる安治川部屋です。現役時代、膝の怪我に苦しみながらも多彩な技でファンを沸かせた「業師」安美錦の指導は、安青錦の才能を開花させました。
しかし、安青錦は単なるイエスマンではありません。彼は自身の相撲についてこう語っています。
「私と(師匠とは)体が違うから、私はこうしたのをこう自分でこうしやすいようにするっていう、まそこをこう自分で考えるっていうことはま当たり前のことなんだけど」
師匠の教えを基礎としつつ、身長182cm・体重140kg という自分の体格に合わせて技術を最適化する。武道で言う「守破離(しゅはり)」を21歳にして実践している聡明さと自律性が、異例のスピード出世の要因の一つでしょう。
【重要事実】大鵬との「縁」について
ネット上などでは「安青錦は大鵬の親戚ではないか?」という噂が流れることがありますが、これは事実ではありません。誤った情報には注意が必要です。
ただし、深い「縁」があることは確かです。昭和の大横綱・大鵬(納谷幸喜)の父親であるマルキャン・ボリシコ氏は、ウクライナ(当時は帝政ロシア領)の出身でした。大鵬自身は北海道生まれですが、そのルーツの半分はウクライナにあります。
大鵬の父もまた、戦争と国境の変動に翻弄された人生を送りました。「ウクライナにルーツを持つ力士が、日本の国技の頂点に立つ」。この歴史的な巡り合わせが、オールドファンから新しいファンまでを惹きつけるストーリーとなっているのです。
5. 2026年3月「大阪場所」が安青錦の「準ホーム」になる理由
次回の舞台は大阪です。実は、この大阪場所(春場所)は、安青錦にとって非常に有利に働く「地の利」があります。
① 安治川部屋宿舎と地域密着
安治川部屋は、大阪場所の宿舎を大阪府松原市(幸南食糧株式会社内)に構えています。部屋創設以来、地域住民との交流を深めており、安青錦にとっても大阪は「第二の故郷」と呼べる場所です。
3月2日には現地で大規模な激励会も予定されており、地元後援会の熱気は最高潮に達しています。大阪のファンは「情に厚い」ことで知られます。東京・両国以上に熱狂的な「安青錦コール」が、エディオンアリーナ大阪に響き渡ることは間違いありません。際どい一番での大声援は、審判の軍配をも引き寄せる「見えない力」となり得ます。
② 開催日程と会場データ
次場所の概要は以下の通りです。
- 日程:2026年3月8日(日)初日 〜 3月22日(日)千秋楽
- 会場:エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)
この期間、大阪は安青錦一色に染まるでしょう。チケットの入手は困難を極めると予想されます。
6. ライバルたちの逆襲:綱とりを阻む「包囲網」
もちろん、昇進が約束されているわけではありません。優勝決定戦で敗れた熱海富士、先輩大関としての意地を見せたい他の大関陣、そして同世代のライバルたちは、徹底的な「安青錦対策」を練ってきます。
優勝決定戦の決まり手は「首投げ」でした。これは裏を返せば、相手に攻め込まれて苦し紛れに出すこともある技です。1月場所で安青錦が喫した3敗の内容を分析し、苦手な形に持ち込もうとする「包囲網」が敷かれることは必至です。安青錦は一夜明け会見で「毎日緊張する15日間だった」と語りましたが、来場所はそれを上回る重圧がかかることになります。
知っておきたい「こぼれ話」:優勝副賞とマカロン
最後に、少しリラックスした話題を。1月場所の優勝で安青錦が手にした「副賞」の数々も話題になりました。これらを知っていると、千秋楽の表彰式がより楽しめます。
- 優勝賞金:1000万円
- 日仏友好杯:勝利の証として贈られる「巨大なピンク色のマカロン」のオブジェ(実際に食べられるマカロンも後日贈呈されます)。
- 福島県知事賞:福島県産米「天のつぶ」1トン。
- 大関賞:ワンカップ大関1年分。
- その他、アラブ首長国連邦やメキシコなどからの友好杯。
まだ21歳の若者が、米1トンや大量の日本酒をどうするのか気になるところですが、これらは部屋の若い力士たちの胃袋を支える重要な糧となります。彼が強くなることで、部屋全体も潤い、強くなっていくのです。
2026年3月、歴史の証人になろう
安青錦の綱とりについて、条件と展望を解説してきました。要点をまとめます。
- 基本ルールは「連続優勝」。3月場所で優勝すれば、横綱昇進は極めて濃厚。
- 「12勝」からのスタートなので、次場所は「14勝」や「全勝」など高いレベルが求められる。
- 「準ずる成績(V逸)」の場合、13勝では厳しく、14勝が必要になる可能性が高い。
- 大阪は安治川部屋の宿舎がある「準ホーム」。地元の大声援が強力な追い風になる。
新大関優勝直後の一夜明け会見で、安青錦は「やっとゆっくりできるなという感じ」と、正直な胸の内を明かしました。
その言葉からは、21歳の若者が背負っていた重圧の大きさが伝わってきます。
しかし、休む間もなく、次は最高位への挑戦が始まります。
ウクライナから来た若きサムライが、日本の国技の頂点に立つ瞬間。
2026年3月の大阪場所は、決して見逃せない歴史的な15日間になるでしょう。
ぜひ、その瞬間をリアルタイムで見届けてください。
※本記事のデータは、2026年1月29日時点の公式発表および信頼できる報道に基づいています。
参考資料:
日本相撲協会公式サイト
横綱審議委員会内規
各報道機関による初場所統計データ