a number ofは単数扱い?複数扱い?ネイティブ感覚で理解する「主語と動詞の一致」の法則【完全解説】

      2025/09/08

a number ofは単数扱い?複数扱い?ネイティブ感覚で理解する「主語と動詞の一致」の法則【完全解説】

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先日、海外のクライアントに送ったビジネスメール。同僚のネイティブスピーカーにチェックしてもらったところ、一箇所だけ赤ペンが入りました。

「A number of new projects has started.」

私の書いたこの一文の `has` が、`have` に直されていたのです。

「え、主語は `A number` だから単数じゃないの?」

そう尋ねる私に、彼は少し困った顔で「うーん、これは感覚的なものなんだよね… `a number of` は複数として扱うのが自然なんだ」と教えてくれました。

あなたにも、こんな経験はありませんか?

a number of」の次に来る動詞は、単数扱い(is, has)なのか、それとも複数扱い(are, have)なのか。

この、英語学習者を長年悩ませる厄介な問題。

参考書を読んでも「これはルールなので覚えましょう」と書かれているだけで、心の底からスッキリしない...。

ご安心ください。

この記事を最後まで読み終える頃には、あなたのその長年のモヤモヤは完全に消え去ります。

なぜなら、この記事では単なるルールの丸暗記ではなく、なぜ「a number of」が単数扱いにならず「複数扱い」になるのか、その「理由」をネイティブの感覚レベルで根本から解き明かしていくからです。

早速、あなたの不安を解消するために結論からお伝えします。

「a number of」は例外なく、常に『複数扱い』です。

この記事では、その絶対的なルールと、多くの人が単数扱いと勘違いしてしまう原因を、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説していきます。

この法則をマスターすれば、あなたの英語はより正確に、より自信に満ちたものになることをお約束します。

1. 【大原則】a number of は「複数扱い」。これが揺るがない絶対ルール

英文法の世界には、時に例外や複雑なルールが存在しますが、「a number of」の扱いに関しては非常にシンプルで明快です。

まず、この揺るぎない大原則を、あなたの英語知識の土台としてしっかりと刻み込みましょう。

`a number of` + 複数名詞 + `複数動詞`

これが鉄則です。

1-1. なぜ「a number of」は複数扱いになるのか?その核心に迫る

「なぜ?」を理解することこそが、苦しい丸暗記から解放される唯一の道です。

「a number of」が複数扱いになる理由は、主に2つの側面から説明できます。

理由①:「a number of」の正体は「many」や「several」の仲間だから

a number of というフレーズは、直訳すると「ある数の~」となりますが、その実質的な意味は「いくつかの~」や「たくさんの~」です。

これは、私たちが中学校で習う many(たくさんの)や several(いくつかの)といった、量を表す言葉(数量詞)と全く同じ働きをします。

少し考えてみてください。

Many students are studying. (多くの生徒が勉強している。)

この文の動詞が are になることに、誰も疑問を抱きませんよね。

それは、主語が「多くの生徒たち」という複数のものであると、誰もが直感的に理解しているからです。

a number of も、これと全く同じです。言葉の見た目が少し違うだけで、機能は同じなのです。

同じ働きをする仲間たち

  • A number of students are in the library. (たくさんの生徒が図書館にいます。)
  • Many students are in the library. (多くの生徒が図書館にいます。)
  • Several students are in the library. (何人かの生徒が図書館にいます。)

このように並べてみると、「a number of」が複数名詞(students)を修飾し、文全体の主語が複数であることが一目瞭然です。

つまり、`a number of` は `many` の少しフォーマルな言い方、と捉えておくと非常に分かりやすいでしょう。

理由②:文の本当の主役(焦点)は `of` 以降の「複数名詞」にあるから

これが最も重要で、ネイティブ感覚の核心に迫るポイントです。

「A number of students」というフレーズで、話者が本当に伝えたい情報、つまり文の主役(スポットライトが当たっている対象)は、「number(数)」という言葉でしょうか?

いいえ、違いますよね。主役は紛れもなく「students(生徒たち)」です。

頭の中に、シーソーを思い浮かべてみてください。

片方に「A number of」を乗せ、もう片方に「students」を乗せると、意味の重さは圧倒的に「students」の方に傾きます。

「a number of」は、その主役である「students」が「複数いるよ」という情報を添える、脇役に過ぎません

英文法の大原則に「主語と動詞の一致(Subject-Verb Agreement)」があります。

これは、「動詞の形は、文の主役である主語の『数』に合わせなければならない」というルールです。

「A number of students」の主役は複数形の「students」です。

ですから、動詞も当然、その主役に合わせて複数形(are, have, wantなど)になるのです。

1-2. 「a number of + 複数名詞 + 複数動詞」を体に刻む豊富な例文

理屈を理解したら、次は豊富な例文のシャワーを浴びて、そのパターンを体に染み込ませましょう。

「a number ofは単数扱いかも?」という迷いが入り込む余地がなくなるまで、声に出して何度も音読することをお勧めします。

様々な時制や文脈で確認していきましょう。

【現在形での使用例】

  • A number of people prefer to work from home these days.
    (最近、在宅勤務を好む人がたくさんいます。)
  • A number of new restaurants open in this area every year, which makes it a great place for foodies.
    (この地域では毎年、多くの新しいレストランが開店し、それがここを食通にとって最高の場所にしています。)
  • A number of factors influence the final decision.
    (多くの要因が最終決定に影響を与えます。)

【過去形での使用例】

  • A number of cars were damaged by the unexpected hailstorm.
    (多数の車が予期せぬ雹(ひょう)によって損傷しました。)
  • A number of dedicated employees attended the annual company party last Friday.
    (たくさんの熱心な従業員が、先週金曜の毎年恒例の会社のパーティーに出席しました。)
  • A number of questions were raised after the presentation.
    (プレゼンテーションの後、多くの質問が出されました。)

【現在完了形・過去完了形での使用例】

  • A number of distinguished scientists have expressed their concerns about the new environmental policy.
    (多くの著名な科学者たちが、その新しい環境政策についての懸念を表明しています。)
  • A number of customers have complained to the manager about the poor service.
    (多数の顧客が、その質の低いサービスについてマネージャーに不満を述べています。)
  • By the time he arrived, a number of guests had already left.
    (彼が到着した時までには、すでに多くの客が帰ってしまっていました。)

この章のまとめ

  • 「a number of」は「たくさんの~」を意味し、常に複数扱いです。
  • その理由は、意味が many と同じであり、文の主役(焦点)が of 以降の複数名詞にあるからです。
  • 公式は `a number of` + 複数名詞 + `複数動詞`。これを徹底しましょう。

2. 最大の罠!「the number of」との違いが「a number of 単数扱い」の誤解を生む

「a number of」が複数扱いであることは、もうご理解いただけたと思います。

しかし、なぜこれほどまでに多くの英語学習者が、このシンプルなルールでつまずいてしまうのでしょうか。

その元凶こそが、たった一文字違いの、非常によく似た表現「the number of」の存在です。

この二つの違いを制覇することこそが、今回のテーマの核心です。

2-1. なぜ「the number of」は「単数扱い」になるのか?

結論から言うと、「the number of」を使った文では、文の主役が「number(数)」という言葉そのものになるからです。

先ほどのシーソーの例えを思い出してください。

「The number of students」というフレーズをシーソーに乗せると、今度は意味の重さが「The number」の方に大きく傾きます。

ここでの話者の関心、つまり文の焦点は「students(生徒たち)」という個々の人々ではありません。

焦点は、「生徒たちの総数」という、一つの具体的な数値データにあります。

例えば、クラスの生徒の数を話題にしている場面を想像してください。

「その生徒たちの『』は、50です。」

この文を英語にすると、こうなります。

The number of students is fifty.

この文の主語は、50人いる「students」ではありません。あくまで「The number(その数)」という単数の概念です。

だからこそ、動詞もその単数の主語に合わせて、単数形(is, has, increasesなど)で受けるのです。

この感覚を掴むためのコツは、「the number of ~」を「~の数(は)」と訳してみることです。「数」が主語であることが明確になり、単数動詞が続くことに違和感がなくなるはずです。

2-2. 比較すれば一目瞭然!「a number of」と「the number of」例文対決

百聞は一見に如かず。二つの表現を直接比較することで、その違いはより鮮明になります。

以下の表で、意味と動詞の形が、冠詞 `a` と `the` の違いだけでどのように劇的に変化するのかをじっくりと見比べてみてください。

表現 意味 文の主役 (焦点) 動詞の形
a number of たくさんの~、いくつかの~ (many, several と同じ) of以降の複数名詞(個々の集まり) 複数扱い
the number of ~の総数、~の件数 number (数) という単語そのもの(一つのデータ) 単数扱い

次に、具体的な例文でその違いを体感してみましょう。スポットライトがどこに当たっているかを意識しながら読んでみてください。

【ケース1:観光客について】

  • A number of tourists visit Kyoto every year.
    (毎年、たくさんの観光客が京都を訪れます。)
    スポットライト:京都を訪れる「観光客たち」という複数の人々。
  • The number of tourists who visit Kyoto increases every year.
    (京都を訪れる観光客の数は毎年増加しています。)
    スポットライト:「観光客の総数」という一つのデータ、統計値。

【ケース2:事故について】

  • A number of accidents have occurred on this highway.
    (この高速道路では多数の事故が発生しています。)
    スポットライト:「事故」という複数の出来事そのもの。
  • The number of accidents on this highway has decreased this year.
    (この高速道路での事故の件数は今年は減少しました。)
    スポットライト:「事故の総件数」という一つの数値。

【ケース3:応募者について】

  • A number of applicants are waiting for the interview.
    たくさんの応募者が面接を待っています。)
    スポットライト:面接を待っている「応募者たち」。
  • The number of applicants is much higher than we expected.
    応募者の数は私たちの予想をはるかに上回っています。)
    スポットライト:「応募者の総数」という一つの事実。

2-3. これで完璧!ネイティブが持つ「a」と「the」の感覚的なイメージ

文法的な理屈だけでなく、ネイティブスピーカーが持つ冠詞の「コアイメージ」を理解すると、この使い分けがさらに自然に、感覚的に腑に落ちるようになります。

  • "a" (不定冠詞) のイメージ: 「ある一つの」という意味が基本ですが、そこから派生して「ぼんやりとした、特定されていないもの」「たくさんある中の一つ」というニュアンスを持ちます。「a number of」は、特定されていない「ある程度の数の集まり」を指し、その集団を構成する個々のメンバー(複数名詞)に焦点が当たります。まるで、たくさんの光の粒がキラキラしているようなイメージです。
  • "the" (定冠詞) のイメージ: 「その」と訳されるように、「特定の、一つに定まるもの」「話し手と聞き手が共通認識しているもの」を指すのが基本です。「the number of」は、of以下の名詞によって範囲が限定された「その総数」という、唯一無二の数値を指します。だからこそ、一つの塊として単数で扱われるのです。こちらは、一つの巨大な光の塊がドンと存在するイメージです。

この感覚が身につけば、「a number of books」と聞けば頭の中に複数の本がパラパラと思い浮かび、「the number of books」と聞けば「50冊」のような具体的な数字やグラフが思い浮かぶようになります。このイメージの違いこそが、動詞の形を決める根本的な鍵なのです。

この章のまとめ

  • 「the number of」は「~の総数」を意味し、常に単数扱いです。
  • その理由は、文の主役が「number」という単語そのものだからです。
  • `a` は「個々の集まり」`the` は「一つの総数」という冠詞のコアイメージを掴むことが、ネイティブ感覚への近道です。

3. なぜ私たちは「a number of を単数扱い」と勘違いしてしまうのか?日本人が陥る3つの心理的トラップ

ここまで読んで、「理屈は分かった。でも、テスト本番や会話の瞬間に、とっさに正しい形を選べる自信がない…」と感じる方もいるかもしれません。

それはあなたの能力のせいではありません。実は、特に私たち日本人がこの間違いを犯しやすいのには、いくつかの言語的・心理的な原因が考えられます。

その「トラップ」の正体を知ることで、あなたはそれらを意識的に避けられるようになります。

3-1. トラップ1:単語の見た目問題 - `number` が単数形だから動詞も単数にしたくなる

これは最も単純かつ強力な原因です。

「A number of...」というフレーズを見たとき、私たちの目はどうしても動詞の直前にある number という単語に引きつけられます。

この number には複数形の `s` が付いていません。「単数形の名詞だ!」と脳が瞬時に判断してしまい、続く動詞もつられて単数形(is, has など)を選んでしまうのです。

これは、英文を左から右へ順番に処理していく過程で起こる、いわば「目の錯覚」のようなものです。

【回避策】
このトラップを回避するには、「`a number of` は3語で一つのセットであり、『たくさんの』という意味の形容詞(many)のようなものだ」と意識を切り替える訓練が有効です。a number of を見たら、すぐに頭の中で many に置き換える癖をつけると良いでしょう。

3-2. トラップ2:日本語訳の問題 - 「たくさんの~」という塊(グループ)で捉えてしまう

「a number of people」を「たくさんの人々」と訳したとします。

このとき、日本語の感覚では「たくさんの人々」という一つのグループ、つまり「塊(かたまり)」として認識してしまうことがあります。「人々の集団」という一つの単位のように感じられ、それが無意識のうちに単数的なイメージに繋がってしまいます。

例えば、「クラス」や「チーム」という言葉は、複数のメンバーで構成されていますが、言葉自体は単数として扱いますよね(例:「このチームは強い」)。この感覚が、「a number of people」にも適用されると勘違いしてしまうのです。

【回避策】
英語の感覚では、あくまで焦点は集団を構成する一人ひとり(people)にあります。日本語訳を介さずに、英語のまま「複数の人々が、それぞれ存在している」というイメージを持つことが重要です。シーソーの例えを思い出し、常に「主役はどっちだ?」と自問自答する癖をつけましょう。

3-3. トラップ3:学校教育の問題 - 理由なき丸暗記の弊害

残念ながら、日本の英語教育の現場では、時間の制約などから「なぜそうなるのか」という理由の説明を省略し、「これはこういうものだから覚えなさい」という指導が行われがちです。

「`a number of` は複数扱い、`the number of` は単数扱い」

このフレーズを、呪文のように何度も唱えて暗記した経験のある方も多いのではないでしょうか。

理由なき丸暗記は、応用が利かず、記憶も非常に曖昧になりがちです。少し時間が経ったり、複雑な文章の中でこの表現に出会ったりすると、「あれ、どっちがどっちだっけ?」と簡単に混乱してしまいます。

【回避策】
このトラップの唯一の解決策は、根本原理を理解することです。まさに、この記事であなたが学んでいる「文の主役(焦点)はどこか?」という考え方です。この原理さえ理解していれば、もう二度と迷うことはありません。丸暗記から、本質的な理解へとシフトすることが、本当の実力に繋がるのです。

主語と動詞の一致に関するルールは、英語の正確性を担保する上で非常に重要です。より深く、体系的に学びたい方は、権威ある教育機関が提供する文法ガイドを参照することをお勧めします。例えば、アメリカのパデュー大学が運営する有名なオンラインライティングラボ(Purdue OWL)のページは、世界中の学生や研究者、ライターに利用されており、非常に信頼性が高い情報源です。

参照:Subject-Verb Agreement - Purdue University Online Writing Lab (OWL)

この章のまとめ

  • 私たちが混乱する原因は、`number`という単語の見た目日本語訳の感覚、そして理由なき丸暗記にあります。
  • これらのトラップを回避するには、「`a number of` = `many`」と捉え、常に「文の主役は誰か?」と考える癖をつけることが重要です。
  • 丸暗記ではなく、本質を理解することが、応用力のある本物の英語力を育てます。

4. 【応用編】英語上級者への道 - 関連表現と主語と動詞の一致

「a number of」と「the number of」を完全にマスターしたあなたは、もう中級者の壁を一つ越えました。素晴らしい進歩です!

ここでは、さらに一歩進んで、関連する表現や少し複雑なルールについて見ていきましょう。ここを理解すれば、あなたの英語の精度はさらに高まります。

4-1. 「a group of / a variety of」などは単数?複数?

a group of students(生徒の一団)や a variety of books(さまざまな本)、a range of options(一連の選択肢)のような表現もよく目にしますね。

これらはどう扱われるのでしょうか?

原則として、「a number of」と同様に複数扱いとなります。ここでもやはり、話者の焦点は `of` 以降の複数名詞にあるからです。

  • A group of tourists were waiting for the bus. (観光客の一団がバスを待っていました。)
  • A wide variety of opinions were expressed during the heated meeting. (その白熱した会議では、非常に多様な意見が出されました。)
  • A range of products are available at a discount. (一連の製品が割引価格で入手可能です。)

ただし、これらの表現、特に `a group of` や `a team of` のような集合体を表す言葉は、「a number of」よりも少しだけ柔軟です。

書き手が、その集団全体を一つの「単位」や「塊」として強く強調したい場合、意図的に単数扱いされることも稀にあります(特にアメリカ英語よりもイギリス英語で見られる傾向です)。

例: A group of engineers is working on the project. (エンジニアの一団がそのプロジェクトに取り組んでいる。)→「チーム」としての一体感を強調。

しかし、これは非常に高度なニュアンスの使い分けです。学習者としては、迷った場合は複数扱いにしておけば、まず間違いありません。

4-2. 「the majority of」で動詞の形は変わる?

「the majority of ~(~の大多数)」は、これまでのルールとは少し異なり、非常に面白い性質を持つ表現です。

これは、`of` の後に続く名詞が「数えられる名詞(可算名詞)の複数形」か、「数えられない名詞(不可算名詞)」かによって、動詞の形が変わります。

このルールは、「部分を表す表現(all of, most of, some of, half of, a lot of など)」に共通する重要な原則です。

  • The majority of the students have passed the final exam.
    (学生の大多数は期末試験に合格した。)
    → of の後が複数名詞 (students) なので、動詞は複数形 (have)。
  • The majority of the information is considered reliable.
    (その情報の大部分は信頼できると考えられている。)
    → of の後が不可算名詞 (information) なので、動詞は単数形 (is)。
  • The majority of his work involves dealing with clients.
    (彼の仕事の大部分は、顧客対応に関わるものだ。)
    → of の後が不可算名詞 (work) なので、動詞は単数形 (involves)。

「a number of」は常に複数名詞を伴うため複数動詞で固定ですが、「the majority of」のような表現は、後ろに来る名詞の「数」をしっかり確認する必要がある、と覚えておきましょう。

4-3. 超レアケース:「a number of」が単数扱いになる唯一の可能性

「絶対」「常に」と繰り返しお伝えしてきましたが、言語に100%の絶対はありません。

非常に稀ですが、「a number of」が「たくさんの~」というフレーズとしてではなく、文字通り「~という一つの数」を指す、数学的・哲学的な文脈で使われることがあります。

"A number of ten" is often considered a perfect number in some cultures.
(「10という数字」は、いくつかの文化では完全な数だと考えられている。)

この文では、「a number of ten」で「10という一つの数字」という概念を表しています。

主語は「A number(ある数)」であり、`of ten` はそれがどんな数かを説明しているに過ぎません。

しかし、これは私たちが普段議論している「たくさんの~」という意味の `a number of` とは全くの別物です。日常会話やビジネス、通常のライティングでこの形に出会うことはまずないでしょう。

あくまで、「言語の隅にあるトリビア」として、知識の片隅に留めておく程度で十分です。

5. 知識を定着させる実践ドリル:「a number of 単数 扱い」の疑問を永久に葬る15問

ここまでの知識が本当に自分のものになったか、力試しをしてみましょう。

スポーツでルールを学んだ後に練習試合をするように、文法もアウトプットで定着させることが不可欠です。

解答と解説を読まずに、まずは自力で挑戦してみてください!

5-1. 基礎編:動詞の形を選ぶ問題 (5問)

以下の文の( )に、( is / are )、( has / have )、( was / were ) のいずれか適切な方を入れてください。

  1. A number of people ( ) waiting in line for the new smartphone.
  2. The number of days in February ( ) 28 or 29.
  3. A number of important issues ( ) discussed in the meeting yesterday.
  4. The number of foreign residents in Japan ( ) been increasing steadily.
  5. A number of my friends ( ) decided to study abroad next year.

5-2. 応用編:間違い探し問題 (5問)

以下の文には一箇所ずつ文法的な間違いがあります。間違いを指摘し、正しい文に訂正してください。

  1. The number of books I read last year were over one hundred.
  2. A number of beautiful scenery attract tourists to this national park.
  3. The number of employees who wants to take a long vacation is growing.
  4. A number of fish in this lake has died due to the chemical pollution.
  5. The number of stars in our galaxy are estimated to be in the billions.

5-3. 発展編:英作文問題 (5問)

以下の日本語を、「a number of」または「the number of」を使って自然な英語にしてください。

  1. 近年、その都市を訪れる観光客の数は劇的に増加した。
  2. 私たちのチームは、多くの課題に直面している。
  3. そのイベントには、多数のボランティアが参加した。
  4. この会社で働く女性の数は、男性の数よりも多い。
  5. いくつかの理由により、その計画は延期されなければならなかった。

5-4. 解答と徹底解説

準備はいいですか?それでは答え合わせです。一問ずつ、なぜそうなるのかを丁寧に確認していきましょう。

基礎編の解答

  1. are (主語の焦点は `people` → 複数扱い)
  2. is (主語の焦点は `The number` → 単数扱い)
  3. were (主語の焦点は `issues` → 複数扱い。過去形なので were)
  4. has (主語の焦点は `The number` → 単数扱い)
  5. have (主語の焦点は `friends` → 複数扱い)

応用編の解答と解説

  1. 間違い: were → 訂正: was
    解説: 主語は「The number of books(私が去年読んだ本の)」なので単数扱いです。`I read last year` は `The number of books` を修飾しているだけです。
  2. 間違い: scenery → 訂正: scenes / sights
    解説: `scenery` は「風景」という意味の不可算名詞(数えられない名詞)なので、`a number of` の後には来られません。「多くの美しい光景」と言いたい場合は、可算名詞の `scenes` や `sights` を使います。これは単語の知識も問われる問題でした。
  3. 間違い: wants → 訂正: want
    解説: 関係代名詞 `who` が指しているのは先行詞の `employees` (複数) です。したがって、関係詞節内の動詞は複数形の `want` に合わせる必要があります。「主語と動詞の一致」は、こういう複雑な文でこそ真価が問われます。
  4. 間違い: has → 訂正: have
    解説: 主語の焦点は「A number of fish(たくさんの魚たち)」なので複数扱いです。`fish` は単数形と複数形が同じ形の名詞ですが、文脈から明らかに複数であることがわかります。
  5. 間違い: are → 訂正: is
    解説: 主語は「The number of stars(私たちの銀河系にある星の)」なので単数扱いです。数がどれだけ天文学的に巨大であっても、「その総数」という一つの概念であることに変わりはありません。

発展編の解答例

  1. The number of tourists visiting the city has increased dramatically in recent years.
  2. Our team is facing a number of challenges.
  3. A number of volunteers participated in the event.
  4. The number of women working at this company is larger than the number of men.
  5. The plan had to be postponed for a number of reasons.

全問正解できたでしょうか?もし間違えても全く問題ありません。重要なのは、なぜ間違えたのかをこの解説で完全に理解し、二度と同じ間違いをしないようにすることです。

もう「a number of」で迷わない!今日からあなたは「主語と動詞の一致」の達人です

これで「a number of」が単数扱いか複数扱いかという長年の疑問は、完全に、そして根本から解消されたはずです。

最後に、あなたの新しい知識を脳に定着させるため、重要なポイントをもう一度だけ振り返りましょう。

  • A number of は「たくさんの」「いくつかの」を意味する数量詞。文の主役(焦点)は `of` の後の複数名詞にあるため、動詞は常に【複数扱い】
  • The number of は「~の総数」を意味する名詞句。文の主役(焦点)は `number` という単語そのものにあるため、動詞は常に【単数扱い】
  • この違いを生み出す根本的な理由は、不定冠詞 `a`(ぼんやりとした個々の集まり)と定冠詞 `the`(特定された一つの総数)が持つコアイメージの違いにあります。

今回あなたが手に入れたのは、単なる一つの文法知識ではありません。

それは、「なぜそうなるのか?」という物事の本質を理解する思考法です。

この思考法は、今後あなたが英語学習を進めていく上で、関係代名詞、仮定法、時制の一致など、他の様々な文法項目を理解するための強力な武器となるでしょう。

今日からあなたは、`a number of` を見てももう迷いません。自信を持って正しい動詞を選び、より正確で自然な、知的な英語を話せる・書けるようになったのです。

この成功体験をバネにして、ぜひ次のステップへ進んでください。例えば、今日から一週間、意識して「a number of」と「the number of」を使った英文を、それぞれ3つずつ作ってみるというのはいかがでしょうか。学んだ知識は、使ってこそ初めて本当の力になります。

あなたの英語学習の成功を、心から応援しています!

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