【海外の反応】小野光希が銅メダル!悪天候を切り裂いた「世界一の高さ」とボードに刻まれた誓い|ミラノ五輪2026
anatato.jp へ本日もお越しいただきありがとうございます!
耳で聞くだけで短時間に分かりやすく理解できる音声会話形式の動画はこちら
「あの涙があったから、今日の笑顔がある」
現地時間2026年2月12日夜。イタリア北部、アルプスの谷間に位置するリヴィニョ・スノーパーク。
しんしんと雪が降り続き、カクテル光線が白い霧に反射する幻想的かつ過酷なコンディションの中で行われた、ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季オリンピック、スノーボード女子ハーフパイプ決勝。
日本のエース、小野光希(おの みつき)選手が、この激闘を制し、見事に銅メダルを獲得しました。
4年前の北京五輪。
予選を1位で通過しながら、決勝でまさかの9位に沈み、人目もはばからず号泣した17歳の少女は、21歳の強く美しいアスリートへと進化していました。
しかし、この銅メダルまでの道のりは、決して平坦なものではありませんでした。
決勝の舞台は、金メダルを獲得した17歳の新星チェ・ガオン(韓国)が1本目で救護班が駆けつけるほどの大転倒をし、絶対女王クロエ・キム(米国)が隠していた「怪我」と戦うという、壮絶なサバイバルゲームでした。
本記事では、小野光希選手の銅メダル獲得のニュースに対する「海外の反応」を中心に、現地で起きていたドラマの全貌、ライバルたちとの絆、そして彼女の足元を支えたボードに刻まれていた「ある言葉」について、詳細なファクト(事実)に基づき徹底解説します。
目次
ミラノ五輪 女子ハーフパイプ決勝 最終リザルト
まずは、スノーボード史に残るハイレベルかつ波乱含みとなった決勝の最終順位とスコアを確認しましょう。
悪天候により多くの選手がベストパフォーマンスを出せない中、上位陣は驚異的な集中力を見せました。
決勝は3本のラン(滑走)を行い、その中のベストスコア(最高点)で順位を決定する方式で行われました。
| 順位 | 選手名 (国籍) | ベストスコア | 詳細 (Run 1 / 2 / 3) |
|---|---|---|---|
| 金 | チェ・ガオン (Choi Gaon) 韓国 |
90.25 | 転倒 / 転倒 / 90.25 |
| 銀 | クロエ・キム (Chloe Kim) アメリカ |
88.00 | 88.00 / 転倒 / 転倒 |
| 銅 | 小野 光希 (Ono Mitsuki) 日本 |
85.00 | 85.00 / DNI / DNI |
| 4 | 清水 さら (Shimizu Sara) 日本 |
84.00 | 10.50 / DNI / 84.00 |
| 5 | 工藤 璃星 (Kudo Rise) 日本 |
81.75 | DNI / 81.75 / 転倒 |
| 6 | 蔡 雪桐 (Cai Xuetong) 中国 |
80.75 | - |
| 9 | 冨田 せな (Tomita Sena) 日本 |
68.25 | 23.50 / 68.25 / DNI |
結果として、17歳のチェ・ガオンが金メダル、女王クロエ・キムが銀メダル、そして小野光希が銅メダルという、日米韓のトップ選手が表彰台を分け合う形となりました。
注目すべきは、3位の小野選手(85.00点)と4位の清水さら選手(84.00点)の差が、わずか「1.00点」だったという事実です。
日本勢同士による、呼吸を忘れるようなメダル争い。
それがこの夜のハイライトの一つでした。
【海外の反応】小野光希の銅メダルに世界が称賛した理由
小野光希選手の滑りは、単に「高難度の技を決めた」だけではありません。
降りしきる雪の中で、彼女が見せた「スタイル」と「高さ(Amplitude)」は、海外のスノーボードコミュニティにおいて称賛の対象となりました。
以下は、現地メディアの報道やSNS上の反応の傾向をまとめたものです。
海外メディアの評価:「悪天候を切り裂くようなメソッド」
各国の主要スポーツメディアは、小野選手のパフォーマンス、特に代名詞である「メソッドエア」について、その美しさと高さを高く評価する論調で報じています。
🇺🇸 NBC Olympics(アメリカ)周辺の報道
放送権を持つNBCのコメンタリーや関連報道では、以下のような趣旨の解説がなされました。
「リヴィニョの最悪のコンディションの中で、ミツキ・オノだけは重力を無視しているように見えた。彼女のメソッドエアの高さは、パイプの底から飛び出し、まるで静止画のように空中に留まっていた。回転数競争が激化する中で、スノーボードの魂(Soul)を守る滑りだったと言える」
🇪🇺 Eurosport(ヨーロッパ全域)の反応
欧州のスポーツチャンネルEurosportでも、彼女の精神的な成長に焦点を当てたコメントが見受けられました。
「北京での涙を覚えているだろうか? 今日の彼女は別人だった。1本目で85点を叩き出した集中力は、メダリストにふさわしい。クロエ・キムやチェ・ガオンといった強豪たちと同じ表彰台に立つ資格を、彼女は自らの滑りで証明した」
🇰🇷 韓国メディアの報道
自国のチェ・ガオン選手の金メダルに沸く韓国メディアも、ライバルである小野選手に対して敬意を表しています。
「チェ・ガオンの歴史的快挙の一方で、日本のオノ・ミツキとのライバル関係も美しいハイライトだった。表彰式で互いを称え合う姿は、アジアの女子スノーボードが世界最高峰に到達したことの証左である」
海外SNSの反応:Reddit・Xでのファンの声
コアなスノーボードファンが集まるReddit(海外掲示板)のスレッドやX(旧Twitter)では、小野選手の「スタイル」を絶賛する多くの投稿が確認されました。
Reddit "Snowboarding" / X (Twitter) で見られた声(意訳)
- 米国のファンと思われる投稿
「今日のコンディションでまともに飛べていたのはMitsukiとChloeくらいだった。Mitsukiのメソッドエア(Method Air)は、額に入れて飾りたいくらい完璧な形だ。Style matters(スタイルは重要だ)」 - カナダからの投稿
「北京の時の彼女の泣き顔が忘れられなかった。だから今日、表彰台で笑っているのを見て感動した。予選1位からの9位という悪夢を乗り越えるのに、どれだけの努力が必要だったか想像もつかない」 - 韓国のファンによる投稿
「ガオンの金メダルは誇らしいが、ミツキの滑りもエレガントで素晴らしい。日米韓のトップ3がお互いをリスペクトし合ってる姿こそ、オリンピック精神だ」 - 英国のファンによる投稿
「回転数だけで言えば他にも凄い選手はいたかもしれない。でも、あの雪の中で失速せずに高く飛ぶ技術は、ミツキが一番だった。銅メダルにふさわしい滑りだ」
このように、単なる順位だけでなく、彼女の「滑りの質」と「4年間のストーリー」が、国境を越えて多くのファンの心を掴んだことが伺えます。
激闘の背景:リヴィニョの雪と「走らないパイプ」
今回の決勝を語る上で避けて通れないのが、「気象条件」です。
テレビの画面越しでも分かるほど、リヴィニョの夜空には雪が舞っていました。
スノーボードハーフパイプにおいて、降雪は致命的な影響を与えます。
新雪がパイプの底(ボトム)にたまると、摩擦が増えてボードが滑らなくなり、スピードが出なくなるのです。
スピードが出なければ、高く飛ぶことも、高回転の技を繰り出すことも物理的に難しくなります。
実際、決勝では世界トップクラスの選手たちが次々と失速し、リップ(縁)に弾かれて転倒するシーンが相次ぎました。
優勝候補の一角だったマディ・マストロ(米国)が3本とも着地に失敗し、ベストスコア5.50点に終わったことは、その過酷さを如実に物語っています。
この「走らないパイプ」という悪条件の中で、小野選手がいかにして高さを維持し、メダルを勝ち取ったのか。
それは彼女の技術力の高さと、適切なギア選択の勝利でもありました。
金メダル:チェ・ガオン「悪夢からの生還」と90点超えの衝撃
今大会の主役となったのは、間違いなく韓国の17歳、チェ・ガオン(Choi Gaon)でした。
彼女の金メダルは、順風満帆な勝利ではなく、絶望の淵からの生還劇でした。
1本目の大転倒と静まり返った会場
決勝1本目。
優勝候補筆頭として登場したチェ・ガオンは、冒頭のヒットでパイプの縁に激しく激突しました。
数分間にわたって雪上に倒れ込み、医療スタッフが駆けつける事態に。
会場は静まり返り、誰もが「棄権(DNS)」を覚悟しました。
しかし、彼女は立ち上がりました。
2本目も着地が決まらず、迎えた運命の3本目。
彼女は痛みを押し殺し、奇跡のルーティンを完遂させたのです。
歴史を変えた「90.25点」の構成
最終滑走で彼女が見せた構成は、女子スノーボードの次元を一段引き上げるものでした。
- Switch Backside 900(スイッチスタンスからの2回転半)
- Cab 720
- Frontside 900 Melon
- Backside 900 Stalefish
- Frontside 720 Indy
スイッチ(逆向き)からの高難度スピンを冒頭に配置し、さらに左右の900(2回転半)を完璧にメイク。
恐怖心に打ち勝ち、この悪天候下で唯一の90点台を叩き出した精神力は、まさに「金メダル」にふさわしいものでした。
これは韓国にとって、雪上競技における史上初の金メダルという歴史的快挙でもあります。
銀メダル:クロエ・キム「脱臼」を隠して挑んだ3連覇への執念
一方、オリンピック3連覇を目指した絶対女王、クロエ・キム(米国)もまた、壮絶な戦いを強いられていました。
実は彼女、万全の状態ではありませんでした。
1月の脱臼(Dislocated Shoulder)
大会後のインタビューなどで明らかになった情報によると、彼女は2026年1月、スイスでのトレーニング中に左肩を脱臼していました。
本番直前の約1ヶ月間、雪上でのトレーニングがほとんどできない状態だったのです。
それでも彼女は強かった。
1本目、怪我の影響を感じさせない滑りで88.00点をマークし、暫定首位に立ちました。
女子史上初の挑戦:Back-to-Back Double Cork 1080
しかし、ドラマは2本目に起きました。
金メダルを確実にするため、クロエ・キムは女子史上初となる「2連続ダブルコーク1080(縦2回転・横3回転)」に挑戦したのです。
結果は2つ目の1080で転倒。
3連覇の夢はついえました。
しかし、怪我を抱えながらも守りに入らず、限界に挑戦した彼女の姿は、銀メダル以上の輝きを放っていました。
試合後、彼女はかつて自分の家で練習させ、指導していたこともある「愛弟子」チェ・ガオンを抱きしめ、「彼女にバトンを渡せて嬉しい」といった趣旨の言葉をかけました。
この師弟愛の物語も、今大会のハイライトと言えるでしょう。
銅メダル:小野光希を支えた「楽しむこと」への誓いと使用ギア
そして、日本の小野光希選手です。
彼女の勝因は、技術もさることながら、その「マインドセット(心の持ちよう)」の変化にありました。
1本目勝負の戦略的勝利
雪が激しくなり、時間が経つほどコース状況が悪化することを見越していたのか、小野選手は1本目に勝負をかけました。
代名詞のメソッドエアで高さをアピールし、続くFrontside 1080(フロントサイド1080)を見事に着地。
後半のセクションでもスピードを殺さず、Cab 720などを繋いで85.00点をマークしました。
結果的に、2本目以降で多くの選手がこの点数を超えられなかったため、この「最初の集中力」が銅メダルを引き寄せました。
ボードに刻まれた言葉:HAVE AS MUCH FUN AS POSSIBLE
北京五輪での敗北後、彼女は「楽しむこと」を見失いかけていました。
そんな彼女を支えたのが、今回使用したスノーボードです。
彼女が使用したのは、バートン(Burton)の特別コレクション"From Burton to the World"のデザインが施されたボードでした。
そこには、ブランド創業者であり、スノーボードの父であるジェイク・バートンの遺した以下の言葉が刻まれています。
"HAVE AS MUCH FUN AS POSSIBLE"
(できるだけ楽しもう)
これは単なるデザインではありません。
ジェイクが2009年のカタログに記したメッセージであり、競技の結果以上に「滑る喜び」を大切にするというブランドの哲学です。
北京ではプレッシャーに押しつぶされ、楽しむ余裕などなかった彼女。
しかし今回は、この言葉を胸に、そして足元に刻んで滑りました。
表彰台で見せた満面の笑みは、彼女が心からスノーボードを楽しめたことの何よりの証明です。
あと1点に泣いた清水さら、初出場の工藤璃星ら日本勢の奮闘
小野選手のメダルに沸く一方で、他の日本代表選手たちの奮闘も忘れてはなりません。
16歳の新星、清水さらの「1点差」
4位に入賞した清水さら選手(16歳)は、3本目までメダル圏外でしたが、土壇場の最終滑走で見事な修正能力を見せました。
Double Cork 1080(ダブルコーク1080)を含む高難度ルーティンを成功させ、ガッツポーズ。
スコアは84.00点。
銅メダルの小野選手(85.00点)まで、わずか1.00点届きませんでした。
この悔しさは、必ずや次の2030年大会への原動力となるはずです。
初出場5位の工藤璃星、北京銅の冨田せな
同じく16歳で初出場の工藤璃星(くどう りせ)選手は、荒れたコンディションの中で安定した滑りを見せ、81.75点で5位入賞。
転倒者が続出する中で、初出場とは思えないメンタルの強さを証明しました。
前回北京五輪銅メダリストの冨田せな選手は、1本目の転倒が響き、2本目で68.25点を残すも9位。
しかし、彼女が前回のメダルで日本女子スノーボードの基準を引き上げたからこそ、今回の小野選手のメダルや若手の躍進があることは間違いありません。
まとめ:2030年フランス・アルプス五輪へ向けて
ミラノ・コルティナ五輪での小野光希選手の銅メダルは、単なる競技結果以上の意味を持ちます。
それは、挫折からの復活の物語であり、悪天候に負けない技術の証明であり、そして何より「スノーボードを楽しむ」という原点回帰の勝利でした。
上位のチェ・ガオンやクロエ・キムとの壁はまだあるかもしれません。
しかし、小野選手には世界が愛する「スタイル」があります。
4年後の2030年フランス・アルプス大会、さらに進化した彼女が、今度は一番高い場所で、一番楽しそうに笑っている姿を見られることを期待しましょう。
感動をありがとう、小野光希選手!
そして日本代表チームの皆さん!