則本昂大、MLB断念の真実と「国内争奪戦」の行方。35歳の守護神が下した決断の全貌

   

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プロローグ:2026年1月14日、杜の都に走った衝撃

2026年1月14日。仙台の街に冷たい風が吹き抜ける中、日本のプロ野球界を揺るがすニュースが飛び込んできました。
東北楽天ゴールデンイーグルスの絶対的エースであり、近年は守護神としてチームを支えた則本昂大(のりもと・たかひろ)投手が、かねてより行使していた海外FA(フリーエージェント)権によるメジャーリーグ(MLB)移籍を断念し、国内球団との交渉へ正式に切り替える方針を固めたというのです。

「えっ、メジャーに行くんじゃなかったの?」
「あれだけ夢だと語っていたのに、なぜこのタイミングで?」

SNS上では、驚きと戸惑いの声が瞬く間に広がりました。昨シーズン終了後に7年契約を満了し、35歳にしてようやく掴んだ「最初で最後のメジャー挑戦権」。誰もが、彼が海を渡り、ダルビッシュ有や田中将大、大谷翔平らが待つ世界最高峰のマウンドに立つ姿を想像していました。

しかし、現実はあまりにもシビアで、そしてドラマチックでした。
本記事では、この「MLB断念」という衝撃の結末に至った背景を、これまでの7年間の軌跡、クローザー転向後の詳細データ、そして日米の市場動向から徹底的に分析します。さらに、これから幕を開ける「国内争奪戦」の行方についても、各球団の事情を交えて大胆にシミュレーションします。

これは、夢破れた男の悲劇ではありません。
自身の価値を冷徹に見定め、プロ野球選手としてのプライドを守り抜いた、一人の「守護神」の再出発の記録です。
詳細な分析で、則本昂大の現在地と未来を紐解いていきましょう。


第1章:「7年契約」という長い旅の終わりと真実

2019年の誓い:生涯楽天への布石か、未来への担保か

時計の針を、今から7年前の2019年オフシーズンに戻しましょう。
当時、則本昂大投手は楽天イーグルスと7年契約という、NPBの投手としては異例の超大型契約を結びました。報道によると、その総額は出来高を含め推定20億円〜21億円に達すると言われています。

当時、石井一久GM(当時)が主導したこの契約は、実質的な「生涯楽天」宣言とも受け取られました。しかし、契約条項には将来的な海外FA権行使の可能性も含まれており、彼の中には「35歳になったとき、自分はどうなっているのか」という未知への恐怖と、それでも挑戦したいという野心が入り混じっていたはずです。

この7年間、その道のりは決して順風満帆ではありませんでした。
右肘のクリーニング手術による離脱、パフォーマンスの一時的な低下、チームのBクラス低迷……。エースとして「勝って当たり前」という重圧の中で投げ続けることは、並大抵の精神力では不可能です。それでも彼は、楽天のエースナンバー「14」を背負い続けました。

先発完投型から、勝利の方程式へ

  • 2020年〜2023年:先発の柱として
    年間150イニング前後をコンスタントに消化。かつてのような「奪三振率10.00超え」の圧倒的な数字こそ影を潜めましたが、試合を作る能力(QS率)の高さでローテーションを守り抜きました。
  • 2024年:運命の転換点
    キャリアの最大の分岐点が訪れます。長年楽天の守護神を務めた松井裕樹投手がMLBへ移籍したことに伴い、チーム事情でクローザー(抑え)へ転向。「先発完投」の美学を持っていた彼にとって、この配置転換には大きな葛藤があったはずです。しかし、彼はそれを受け入れ、見事に32セーブを挙げ、パ・リーグの最多セーブ投手賞を獲得しました。
  • 2025年:契約最終年の進化
    7年契約の最終年。チーム戦略によりクローザーとセットアッパーを行き来する役割となりましたが、56試合に登板。防御率は3.0516セーブ・22ホールド(※2026年1月時点の報道および実績データに基づく)を記録しました。絶対的な守護神というよりは、ブルペンの精神的支柱として、どんな場面でも腕を振る「タフネスさ」を証明したシーズンでした。

35歳、FA権行使の真意

7年契約が満了した2025年オフ。彼は迷わず海外FA権を行使しました。
「自分の力が、世界でどこまで通用するのか知りたい」
それは、入団当初から抱き続けていた純粋な夢でした。35歳という年齢は、MLBの基準で見れば「ベテラン」の域を超え、「オールドプレーヤー」に分類されます。それでも、リリーフとして短いイニングで全力を出し切るスタイルならば、勝算はある。そう信じての宣言でした。


第2章:なぜMLBの扉は開かなかったのか

では、なぜ今回の「断念」という結果に至ったのでしょうか。
2026年1月14日時点の現地報道、スカウティングレポート、および代理人筋からの情報を総合すると、大きく分けて3つの壁が立ちはだかったことが見えてきます。

1. 「35歳のリリーバー」に対する市場の冷遇

近年のMLB市場、特にリリーフ投手市場は極端な二極化が進んでいます。

  1. トップティア(Sランク):平均球速100マイル(約161km/h)超を持つ絶対的クローザー。年俸1000万ドル(約15億円)以上の大型契約。
  2. ミドル〜ローティア(Bランク以下):使い勝手の良い中継ぎや、再生枠のベテラン。マイナー契約や、年俸100万ドル〜200万ドル程度の単年契約。

則本投手は、NPBでの実績こそ十分ですが、年齢(35歳)と平均球速(153km/h前後)の面で、どうしても「2」のカテゴリーに分類されてしまいました。
複数のMLB球団からオファーはあったものの、その多くは「スプリングトレーニング招待選手を含むマイナー契約」、あるいはメジャー契約であっても条件面で非常に低い提示だったと報じられています。

2. スプリット(フォーク)の価値の変化とコモディティ化

かつて、野茂英雄や佐々木主浩の時代、日本人投手のスプリットは「魔法のボール」と呼ばれました。
しかし、現在ではMLB全体の投手技術が向上し、高速スプリットやスイーパーを投げる投手が激増しています。「スプリットが投げられる」というだけでは、以前ほどの差別化要因にならなくなっているのが現実です。

「Norimotoのスプリットは素晴らしいが、彼より若く、彼より安く、同じようなボールを投げる中南米の投手が3Aにたくさんいる」
非常にシビアですが、これがデータ野球の最先端を行くMLB球団の冷徹な判断だったと言わざるを得ません。

3. 「プライド」と「評価」へのこだわり

これが最も大きな要因かもしれません。
則本投手には、NPBで積み上げた輝かしい実績があります。
新人王、5年連続奪三振王、そしてセーブ王。
これだけのキャリアを持つ投手が、メジャー昇格が保証されていないマイナー契約で海を渡ることは、自身だけでなく、日本球界全体の価値を下げることにもなりかねません。

「夢は叶えたい。しかし、自分を安売りしてまで行く場所なのか?」

この葛藤の末に、彼は「実力を正当に評価してくれる場所で投げる」という、プロフェッショナルとしての誇りを選んだのです。この決断は、決して「逃げ」ではなく、自身のキャリアに対する責任ある選択と言えるでしょう。


第3章:クローザー・則本昂大の「現在地」をデータで解剖する

MLB移籍は幻となりましたが、則本投手の選手としての価値が損なわれたわけではありません。
むしろ、ここ2年間の「クローザー転向」によって、彼は投手として新たな境地・進化を遂げています。その詳細をデータで見てみましょう。

モデルチェンジした投球スタイル

先発時代の則本投手は、尻上がりに調子を上げ、完投を目指す「マラソンランナー」でした。
しかし、現在の彼は「スプリンター」です。

【球速と出力:35歳の進化】

リリーフ転向により、ペース配分を考えず常時全力投球が可能になったことで、平均球速は34歳を超えてなお、微増傾向にあります。
2025年シーズンのストレートの平均球速は153.4km/hを記録し、最速は158km/hに達しました(※各種トラッキングデータ報道参照)。短いイニングであれば、日本のトップクラスの打者でも力で押し込むことが可能です。

【奪三振率(K/9)の復調】

先発晩年は7.00〜8.00台に落ち込んでいた奪三振率ですが、クローザー転向後の2024年は11.20、セットアッパーも務めた2025年も10.55と、再び「ドクターK」の数値を叩き出しています。
特に、高めのストレート(ハイファスト)と、低めに落ちるフォークのコンビネーションは、1イニング限定の勝負において圧倒的な威力を発揮します。

【メンタリティ:修羅場をくぐった経験値】

「打たれたら終わり」というクローザーの重圧は、先発の比ではありません。
しかし、則本投手は「先発で完投目前の9回に打たれる悔しさ」を何度も味わってきました。その経験が、皮肉にもクローザーとしての強靭なメンタルを育んでいたのです。
ランナーを出しても動じない、ギアを一段階上げる投球術は、若手投手にはないベテランならではの「味」が出ています。


第4章:開幕する「国内争奪戦」の行方

さて、ここからが本記事の核心です。
MLB挑戦を断念した則本昂大は、戦いの場を再び日本国内へと戻します。
ここで発生するのが、「国内球団による争奪戦」です。

彼が保有しているのは「海外FA権」ですが、これは国内他球団とも契約可能な権利です。
「35歳・セーブ王経験者・先発も可能・人的補償不要(※契約内容によるが、今回は高額年俸のため補償発生の可能性が高いAランク、あるいはBランクと想定されます)」
この条件に、喉から手が出るほど欲しい球団はいくつも存在します。

候補1:東北楽天ゴールデンイーグルス(残留)

可能性:◎(本命)

最も可能性が高いのは、やはり愛着のある楽天への残留です。
球団側は当初から「夢は応援するが、戻ってくるなら最大限の誠意を見せる」というスタンスを崩していません。報道によれば、球団はすでに水面下で残留要請の準備を進めており、単年契約ではなく、引退までを見据えた「3年総額12億円〜15億円+出来高」規模のオファーが用意される可能性があります。

また、将来的な「指導者手形」や、球団の功労者としてのポストもセットで提示されるでしょう。「ミスター・イーグルス」としてキャリアを終えることは、ファンにとっても最も望ましいシナリオです。

候補2:読売ジャイアンツ(巨人)

可能性:△(対抗)

常に戦力補強に余念がない巨人。
現在の巨人のブルペン事情を見ると、絶対的守護神である大勢投手の勤続疲労や、中継ぎ陣の層の薄さが毎年の課題となっています。
則本投手が加入すれば、「7回・8回・9回」のどこでも任せられるピースとして、これ以上ない補強となります。
また、東京ドームは気候の影響を受けないため、ベテラン投手にとってはコンディション調整がしやすいというメリットもあります。資金力では楽天に対抗できる唯一の球団かもしれません。

候補3:福岡ソフトバンクホークス

可能性:▲(大穴)

「勝利への執念」と「圧倒的な資金力」といえばソフトバンクです。
オスナ投手の長期契約後のパフォーマンス変動や、故障リスクを考慮し、「ダブルストッパー構想」を掲げて獲得に乗り出す可能性があります。
則本投手にとっても、自身の故郷(滋賀県)に近い西日本の球団、そして「優勝を狙えるチーム」というのは魅力的な選択肢になり得ます。

候補4:阪神タイガース

可能性:注(地元・関西)

関西出身の則本投手にとって、甲子園は憧れの場所。
阪神も強力な投手陣を誇りますが、ブルペンの枚数はいくらあっても困りません。特に「縦の変化球(フォーク)」を操る投手は甲子園の浜風とも相性が良く、本人が「最後は関西で」と考えるなら、急浮上する可能性があります。


第5章:技術分析・35歳の則本が投げる「円熟のボール」

ここで少し視点を変えて、技術的な側面から則本投手の価値を再確認してみましょう。
「35歳で球速が落ちていない」こと自体が驚異的ですが、それ以上に変化球の精度が変化しています。

1. 進化したスプリット(フォーク)

かつての則本投手のフォークは「三振を取るためのボール」として、ホームベースの手前で急激に落ちる軌道を描いていました。
現在は、カウントを取るための「落差の小さいスプリット」と、決め球としての「落差の大きいフォーク」を使い分けているように見えます。この微細な出し入れができるようになったことが、クローザーとしての安定感に繋がっています。

2. スライダーのキレ

右打者の外角へ逃げるスライダーも健在です。
特にリリーフ転向後は、スライダーの球速帯を上げ、カッター気味に変化させることで、バットの芯を外す投球が増えました。これにより、球数を減らしながらアウトを積み重ねることが可能になっています。

3. 投球フォームの修正

2019年の手術以降、彼は肘への負担を減らすために投球フォームを微修正してきました。
テイクバックをコンパクトにし、下半身主導で投げる現在のフォームは、リリーフとしての連投にも耐えうる理にかなったものです。この「適応能力」こそが、彼が長く第一線で活躍できている最大の理由です。


エピローグ:則本昂大の「第2章」をどう楽しむか

今回の「MLB断念」というニュースを聞いて、落胆したファンもいるかもしれません。
「メジャーで投げる姿を見たかった」
その気持ちは、誰よりも則本投手自身が強く持っているはずです。

しかし、見方を変えれば、「日本のプロ野球で、則本昂大の全力をまだ見ることができる」という幸福なニュースでもあります。

35歳からの再出発。
それは、かつての上原浩治や藤川球児のように、ベテランとなってから投球術を磨き上げ、若手を凌駕するパフォーマンスを見せる「達人」への入り口です。

今後の注目ポイント

  1. 通算2000奪三振の達成:あとわずかに迫った大記録。どのユニフォームで達成するのか。
  2. 名球会入りへの道:通算200勝は難しいかもしれませんが、「250セーブ」という新たな目標設定も可能です。クローザーを続ければ、あと数年で視野に入ってきます。
  3. 先発再転向の可能性:チーム事情によっては、再び先発として「老獪な投球」を見せる可能性もゼロではありません。

交渉は今後、急速に進展するでしょう。
楽天に骨を埋めるのか、それとも新天地で優勝請負人となるのか。
1月14日、この日が則本昂大の野球人生における、真の意味での「分岐点」となったことは間違いありません。
私たちは、その決断を尊重し、マウンドで躍動する彼の姿を応援し続けるだけです。

「夢」の形は変わりました。
しかし、「エース」の物語は、まだ終わりません。

出典・参考リンク

  • 則本昂大 個人年度別成績 - NPB.jp 日本野球機構
    ※公式記録および歴代のタイトル獲得状況を参照
  • サンスポ、河北新報ほか各スポーツ紙報道(2026年1月14日付「MLB交渉断念・国内切り替え」に関する記事)
  • 2019年・2024年の契約更改に関する報道(Full-Count、日刊スポーツ等)を参照し、金額等は推定値を記載

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